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「平成最後のコミケ」で振り返る、拡大と混乱の連続だった30年間

「少女たちの狂宴」と呼ばれるほど女性参加者が多かった時代も

2018/12/29

漫画だけでないコミケ

 著名な漫画家、イラストレーターがデビュー前、あるいは現役でコミケに参加することは珍しい話ではないが、先日筆者がお会いしたジャーナリストにも、評論ジャンルでコミケにサークル参加していた方がいた。

 また、20年ぶりの最高益を出すなど好調なソニーは、イメージング事業と並び、グループ会社のアニプレックスが配信するスマートフォン向けゲーム「Fate/Grand Order(FGO)」が利益に大きく貢献していると報じられている。このFGOは、もともとコミケでゲームを発表していた同人サークルが商業制作したものだ。コミケのサークル参加者が、経済に大きな影響を与えるまでになった一例だろう。

 また、サークル以外でも、コスプレ参加者も表現のひとつであり、今夏のC94では1万8,000名以上が参加している。

コスプレイヤーたちにとっても、コミケは“お祭り”になっている ©getty

 漫画に留まらない、様々な創作・表現の場となっているコミケ。現在のコミケは、「同人誌を中心としてすべての表現者を許容し継続することを目的とした表現の可能性を広げる為の『場』である」を理念に掲げている。実際、これだけインターネットが普及した今になっても、「場」としてのコミケの力は計り知れない。

 筆者もサークル参加しているが、漫画家や作家はもちろん、研究者、専門書出版社の編集者や、筆者の専門領域に関係して自衛官や官僚、防衛産業関係者といった方々ともコミケを介して接点を持つことができ、公私共にかけがえのない場だと実感している。

初めて尽くしの新元号最初のコミケ

 平成最初のコミケは波乱の中で始まったが、新元号最初のコミケ(C96)もそうなることが既に確定している。東京五輪開催にともなう東京ビッグサイトの工事により、最大のスペースを持つ東展示棟が使えなくなり、新設の南棟の使用と、有明から1.5km離れた青海展示棟を会場にするというコミケ史上初の2会場制が取られる。また、4日間開催や、一般入場の有料化が実施されるなど、いずれも初めて尽くしの運営となる。

 明らかに混乱が予想されるが、主催者側ではどうにもならない会場問題に起因するだけに、開催できるだけでも良しとしたいが、長距離の移動が想定されるため、事故の懸念も大きいだろう。準備会関係者の心労も察するに余りある。

©iStock.com

 さて、平成最後のコミケには、筆者も12月31日にサークル参加するが、その新刊の後書きは「(C96のサークル参加日が)4日目だったらつらい」で締めた。4日目は体力的にキツイからだ。そして、新刊入稿後の12月18日、コミケ準備会から来年夏のジャンル別開催日割り当てが発表された。筆者が参加する「鉄道・旅行・メカミリ」ジャンルは、4日目に決定していた。

 少なくとも筆者にとって、新元号最初のコミケがつらいものになるのは、ほぼ確定したということだ。

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