課題はスタジアムにあり
もちろん課題はたくさんありますよ。サッカーファンじゃない普通の人、行くとしても年に1、2回という人たちに、サッカースタジアムに行く習慣を持ってもらわないとダメでしょう。今だと、スタジアムに入ることが結構なハードルになっていますよ。熱狂的なサポーターたちの排他的な雰囲気はもちろん問題ですけど、それ以前にチケットが買いにくかったりする。私は「見えない結界」って言ってますけど、そういうのがあるんですよ。
例えば、鹿島アントラーズのホーム(茨城県立カシマサッカースタジアム)には、クリニックやスポーツジム、ウォーキングコースがあります。サッカーの試合と関係なく、日常的に行く理由があるわけです。そうやって普段からスタジアムという場所に親しんでもらうことも大事でしょう。
そういう点からしても、都心にスタジアムが無くちゃダメですよね。秩父宮(ラグビー場)だって、サッカースタジアムにした方がいいと思いますよ。ショッピングモールを併設するとか、サッカーの試合の時だけでなく人が集まる場所として活用することはいくらでも出来ると思いますね。
スタジアムを自治体主体で作ると、都市公園法やらなんやらで、物販に制約がかかったりするらしいんですよ。ガンバ大阪のホーム(市立吹田サッカースタジアム。2016年開場)はいいやり方ですよね。民間からの募金や助成金で建てて吹田市に寄贈し、ガンバが運営管理するという。スタジアムの建て方だっていろいろあり得るわけですよ。
それと、富裕層、スーパーハイエンドへの接遇をまともにしないとはじまらないと思いますね。プレミアリーグでは、どんなど田舎のチームでもそこは大事にしているんですよ。ちゃんと豪華なホスピタリティルームが必ず用意されている。スポンサーや地方の名士が集まるような場所になっているわけです。日本でそうなっているところはありませんね。
鹿島アントラーズのホスピタリティルームですら昭和っぽいセンスの内装でしたからね。こないだV・ファーレン長崎に行ったら公民館レベルだったし(笑)、そんなんじゃお話にならないだろ、と。元ジャパネットたかたの高田明さんが社長になったから、そういうところも変えていってくれるんじゃないかと思ってますけど。