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2019/03/17

頭髪自由にしても半数は丸刈りのままだった学校

 脱丸刈り校のうちのもう一つ、土浦日大では、監督の小菅勲が2016年に就任して以来、「(丸刈りは)今の時代にはふさわしくない」と頭髪を自由にした。にもかかわらず、部員の半分くらいは丸刈りのままだった。

「伸ばしていいよと言っても、うちも伝統校なんで、高校野球はこういうもんだって、丸刈りにする選手が多い。丸刈りが好きなやつもいるんですよ」

 不思議なものだが、自分の意志で丸刈りにしているのだと思うと、見え方がガラリと変わる。丸刈りへの違和感は、髪型そのものにあるのではなく、全員が半強制的に同じ髪型にされているということにあるのだ。

「教育の一環」が免罪符になっている

 日本スポーツ界でもっとも体質が古いと言われる女子バレーボール界で、不当な上下関係や過度な礼儀作法をなくし、下北沢成徳高校を強豪校に育て上げた小川良樹は、体育会系の異様さは「教育の一環という言い方が免罪符になっていることが原因」と指摘する。

©iStock.com

「人間教育って言えば、指導者のわがままや横暴さが正当化されますから。おまえのためなんだ、と。そう言われると、選手は逆らえないじゃないですか」

 教育の一環だと言いながら、日大アメフト部のように体育会系は教育から乖離してしまった。その事実こそ、小川の指摘が正しいことを証明している。

 スポーツは勝利を目指すことで、自然と工夫するし考えもする。教育的要素はすでに十分含まれている。体育会系も、いちスポーツに還るべきではないか。

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