文春オンライン

赤羽はいつから「一番住みやすい街」になった? ポスト吉祥寺の座を狙う街には「弱点」も

2019/02/18
note

歓楽街と大型スーパーが目立つ東側

 さて、今度は駅の東側に目を移してみよう。まず目立つのは駅北東にある「一番街」だ。ここには飲み屋が多く建ち並び、いわゆる「せんべろ」の店もある歓楽街となっている。このため、赤羽の男性人気は高い。帰りに一杯飲んで帰れる店がたくさんあるのは赤羽の魅力となっている。

 そして駅前の道を東に行けばアーケードの商店街「LaLaガーデン 赤羽スズラン通り商店街」がある。1997年に設置された長さ300mほどのアーケードが特徴的な商店街で、中には5階建てのダイソーや奥には「ダイエー赤羽店・イオンフードスタイル」がある。元となったダイエー赤羽店は1969年の開業だ。その際、1966年に赤羽に進出していた西友と激戦を繰り広げたと言われ、現在も両ブランド共に赤羽の地に店舗がある。

居酒屋を中心に八百屋などもある赤羽一番街
1997年に完成したアーケードが特徴的な商店街「LaLaガーデン」
ダイエー赤羽店

 こうして見れば赤羽の強みはこうした駅周辺の商業集積にあることがわかる。西口のイトーヨーカドー、LaLaガーデンの南にある西友も併せると3つも総合スーパーがひしめいている。そして駅西側にある赤羽ビビオをはじめとした再開発地区(パルロード)や駅の北側の高架下に展開する専門店街(ビーンズ)も併せると日用品・食料品の買い物は駅から徒歩5分以内の範囲で済ませることができるうえ、店の選択肢があることもうれしい。

ADVERTISEMENT

 つまり、交通と買い物の利便性の高さ、そして赤羽台団地の再開発による優良な住宅供給が赤羽の人気を生んでいると言えそうだ。

 そして再開発というと赤羽駅東口でも動きがある。駅前からLaLaガーデンへ向かう道と東本通りとの角の北側にある雑居ビル群の約3000平方メートルが現在再開発予定地として動きを進めているほか、その付近で6000平方メートルの再開発の構想もあるという。この再開発事業で店舗付の高層マンションが生まれる可能性は高い。これも「発展性」のところで評価されたのだろう。

写真右の雑居ビル群が赤羽駅東口で再開発の予定されているエリアだ