昭和34年(1959年)創刊の総合週刊誌「週刊文春」の紹介サイトです。最新号やバックナンバーから、いくつか記事を掲載していきます。各号の目次や定期購読のご案内も掲載しています。

まるで“国際ロマンス詐欺”? 「安倍首相がハマり込んだプーチン無間地獄」

「4-2」は、もしかしたら「0」になるかもしれない

2019/02/22

「正論」を唱えながら、揺れる産経

 しかし、金額や条件より大事なことがある。

 北方領土は4島返還を目指していたのではなかったか、という大前提だ。

 その点を考えると、北方領土問題で読みごたえのあるのは保守系の新聞である。

 産経新聞は首脳会談の翌日の一面で「日露首脳会談、平和条約前進を確認」と書いた。

「交渉を前進させることを確認した」とあくまでポジティブな表現にしたのだ。

©JMPA

 だがその一方で北方領土はロシア領というロシアの態度を受け、

《この歴史的事実を曲げるロシアの主張を受け入れれば、国際社会で「法の支配」を重視してきた日本の信頼は失墜する。尖閣諸島(沖縄県石垣市)を自国の領土と主張する中国を利することにもなる。》(1月21日)

 と、「正論」を唱えた。

 さらに社説では「『2島』戦術破綻は鮮明だ 日本の立場毅然と表明せよ」(1月16日)とし、

《ロシアがかくも強気に出ているのは、安倍晋三首相が四島返還の原則から離れ、日ソ共同宣言重視を打ち出したためだ。これは「2島返還」への方針転換だと受け取られた。》

《法と正義に基づく日本の立場を、毅然と表明するのが筋だ。安倍政権には、焦ることなくロシアと交渉し、国民に対する説明責任もきちんと果たしてほしい。》

 と主張した。

 産経は安倍首相を応援したいが、首相の交渉には困惑している様子がわかる。同じ新聞でも紙面の中で違いがあり「揺れている」様子がわかる。

©iStock.com

 北方領土交渉それ自体も注目だが、報道する側の新聞のリアルな「息づかい」にも注目していきたい。