チャンネル登録者約3万のユーチューバーでもある
アマチュアとしての活躍については「実力以上の結果で、ツキが巡ってきた。アマ大会での経験も大きいと思います。他に奨励会退会後に変わった部分としては、将棋ソフトの活用でしょうか。自分の対局の検討や、序盤の研究に使います」と語る。
昨年の朝日杯にも参加したが、初戦で都成竜馬五段に敗れた。だから「1局は勝ちたいと思っていたが、まさかの決勝トーナメント進出でビックリ」。プロ編入試験が視野に入ってきたことについては、「目指せるところまできたので、今後も頑張りたいです」と前向きな姿勢をみせる。
折田アマにはユーチューバー(アゲアゲ将棋実況)としての姿もある。将棋の実況中継などを行っているのだ。奨励会経験者は、退会後に一定の期間を経ないとアマチュア大会に参加できないが、その期間にも「自分の将棋を生かしたいという思いがあり、また動画配信もやってみたかったので、始めました」という。
現在、チャンネル登録者は約3万人。「思った以上に見てくれる方がいて、また応援もしてくれるのでありがたいです。自分自身のモチベーションにもなっています。これからも継続してやっていければと思います」という。
「プロと指せるだけで光栄」
木村孝太郎アマは、立命館大学に通う大学1年生。折田アマとは異なり奨励会の在籍経験はない純粋アマだが、中学時代の2014年に全国中学生選抜将棋選手権で優勝した実績がある。また昨年の学生名人戦では準優勝している。一昨年の第7回アマチュア銀河戦で優勝し、プロの銀河戦への参加資格を得た。
「プロと指せるだけで光栄。初戦から胸を借りるつもりで戦っていましたが、いい内容で勝てて波に乗れたのか、実力以上のものが出ました」と語る。
普段は大学の将棋部での実戦が多く、また将棋ソフトを活用して序中盤の研究を行っているそうだ。目標とする棋風は深浦康市九段のもので「終盤の粘りは見習うべきものです」という。木村アマに限らず、アマ棋戦で勝ち進む実力者は終盤で二枚腰の粘りを発揮する選手が多い。「アマ大会で実績を積み、学生大会でも勝ちたい」と語る。
出身は青森県で、将来は地元に戻って観光関連の仕事に就くことを目指しているという。同じく東北(山形県)出身の阿部健治郎七段は、詰将棋パラダイスの難問に取り組む木村アマをみて「大学(幼稚園~大学院まで分かれる詰将棋のレベル)を解けるならば、奨励会三段の勉強と変わりません」と語った。