2月19日に囲碁・将棋チャンネルで放映された第27期銀河戦のAブロック6回戦で、折田翔吾アマが豊川孝弘七段を破り、6人抜きを達成。同ブロックの最多勝ち抜き者になることが確定したため、決勝トーナメント入りが決まった(同棋戦では、予選ブロック最多勝ち抜き者とブロック優勝者が、それぞれ決勝トーナメントに進む)。

第27期銀河戦Aブロック6回戦、折田―豊川戦 ©囲碁・将棋チャンネル

かつては瀬川晶司アマ(当時)がA級棋士を破った

 今期の銀河戦には4名のアマチュア代表が参加しており、折田アマの他に、木村孝太郎アマも4人抜きを達成している。こちらは5回戦で増田康宏六段が快進撃を止めたが、ブロック4連勝はやはり最多勝ち抜き者の有力候補となる。2名のアマチュアが決勝トーナメントに進出することになれば、史上初の快挙だ。

 銀河戦は2000年に始まった第9期からアマ選手の参加が認められているが、ここ数年のアマチュアはよくて1~2勝という成績が続いていた。過去には、第9期で瀬川晶司アマ(アマ含めて段位は対局当時、以下同)が7人抜きを果たし、決勝トーナメントへ進出したこともある。この時は先崎学八段に敗れたが、瀬川アマは3年後の第12期にも3人抜きを果たし、決勝トーナメントの1回戦でも久保利明八段を破る殊勲の星を挙げた。アマチュアが現役のA級棋士を破るのは史上初の快挙で、この白星がのちに特例として行われた瀬川のプロ編入試験実施につながったともいえる。

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プロ編入試験第2局に勝利して笑顔の瀬川晶司アマ(当時) ©共同通信社

「黒船来航」の要因は?

 ただ、アマチュアが参加できる他の棋戦でも、最近はプロが貫禄を見せることが多かった。折田アマと木村アマの快進撃は、久々となるプロ棋戦への「黒船来航」ともいえるが、その要因はどのあたりにあるのだろうか。

 まず、折田アマについて紹介したい。折田アマは元奨励会員で、三段リーグまで昇ったが、2016年に年齢制限で退会した。その後、一昨年の第34期アマ王将戦で準優勝し、銀河戦への参加資格を得る。そしてプロを次々なぎ倒す今期の活躍だ。その過程で瀬川五段と今泉健司四段という「アマの先輩」を破ったのも、何かの巡り合わせだろうか。「瀬川戦と今泉戦は逆転勝ちだったので印象に残っています」という。