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“振り切った女優”山口紗弥加「佐野史郎さんは私の中に“冬彦”を見たのかも……」

山口紗弥加さんインタビュー#3

バリの滝行で生まれ変わりました

――どのぐらい行かれていたんですか。それこそ『ブラックスキャンダル』と『絶対正義』の間ですよね。

山口 2週間ぐらいですね。冗談抜きで「這うようにして」行ったんですが、大正解。そのムルカットを受けたのがバリの中部、ウブドという場所で、人がとても優しくて、土地の空気感もとっても穏やかで。緑の中、暖かい、柔らかい日射しを浴びながら、滝行を受けるんですね。

 

――望んでいたものですね。すべてを洗い流す。滝の勢いはどのくらいの……。

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山口 首がもげるんじゃないかというほどの勢いがあるんですよ。私は立っているのもやっとみたいな感じでしたね。

 ムルカットにはものすごい行列ができていて。でも、誰も何の文句も言わずに、1人が20、30分滝に打たれていようが構わず、ただ静かに待つ。寛容なんですね。それもまた素敵だなあと思って。私は5分ぐらい受けてたのかな。同行してくれたガイドさんが、身体に汚れが溜まっている状態だと、流れた水が白く濁ったまま。それが透明になったら、汚れが抜けた合図だから、教えるねって言ってくれて。ずっと合図を待ってたんですけど。待ちきれなくて出ようとすると、ダメ、ダメ、ダメ、まだ濁ってる!と言うんですよね。

 それが5分くらい。わりと長いほうだったので、それだけ、いろんなものを溜め込んでいたんだということがわかって。

 

――そこで生まれ変わりましたか。

山口 そう、もう一度、生まれてきました。本当に、嘘みたいに体中からエネルギーが湧いてくるのがわかるんですよ。そして、心が幸福感で満ちていく……。

 日本に帰ってきたら、やる気満々、完全復活!そんな旅でした。

――そして『絶対正義』で2クール連続での主演です。「キャリア25年、主演なし」から2クール連続主演。『絶対正義』が決まったときはどう思いました?

山口 ……全然うれしくなかった(笑)。