2018年下半期(7月~12月)、文春オンラインで反響の大きかった記事ベスト5を発表します。インタビュー部門の第4位は、こちら!(初公開日 2017年10月27日)。

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てれびのスキマさんによる「テレビっ子インタビュー」8人目のゲストは女優・伊藤沙莉さん。94年生まれ、特徴的なハスキーボイスの女優として活躍中の彼女が『女王の教室』などでの「いじめっ子役」時代の苦い思い出を語ってくれました! (全3回の2回目 #1#3も公開中)

伊藤沙莉さん

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「千葉から来ました……」で始まった人生初のオーディション

―― ダンススクールは何歳から通われてたんですか?

伊藤 3歳からですね。

―― ところがダンスではなく、ドラマのオーディションに行こうと思ったのはどうしてだったんですか。

伊藤 ダンススクールに掲示板があって、そこにオーディション情報がバーッと載ってるんです。キッズ部門、大人部門とかに分かれてて、ダンスのオーディションとか、色んなメディアのオーディションがある中で、たまたま子役オーディションというのが貼ってあったんです。ダンススクールなので、お芝居を目指している子はあまりいなかったんですけど、逆にみんな物珍しくて、「行こうか、行こうか」みたいに盛り上がって。でも私は、どっちかというとダンスをずっとやっていきたいと思っていたほうなので興味がなかったんです。それで“あるある”な話なんですけど、あまり積極的じゃなかった私が受かっちゃうっていう。それが『14ヶ月』です。

―― 初めてのオーディションだったんですか?

伊藤 初めてでした。だからみんな、「劇団〇〇から来ました、〇〇です!」みたいな感じなんだけど、私は「千葉から来ました……」ってひとりだけ出身地を披露して。でも、わからないなりに、たぶん一番楽しんでたんだと思うんですよね。緊張とかもないし、受からなきゃっていうのもないから。だから逆に人生で一番輝いてたオーディションだと思います、一番最初が(笑)。

 

―― 大人っぽい役、というか大人役(※35歳の女性が体だけ子供になったという設定)でしたが、ハマり役だったと思います。

伊藤 ありがとうございます。声がこんな感じだから、きっと35歳と納得していただけたんじゃないかな。9歳ですけど、ちょっと静かに喋れば、大人っぽく聞こえるというメリットがある(笑)。

テレビに映った私を見て、家族みんながワーッ

―― 初めての現場ってどうでしたか。

伊藤 とにかく毎日毎日、楽しかったですね。でも、わかんないことだらけで、「ドライ始めます」って言われても、「ドライ……とは?」って、まごまごしてました。共演した高岡早紀さんや中村俊介さんが、「ドライっていうのはね、こういうことで。『よーい、スタート』って言われたら、とにかく喋っちゃえばいいから」「わかりました」って。セット裏では蒼井優さんが遊んでくれました。

―― 実際にテレビに自分が映ってるのを観てどうでしたか。

伊藤 小学3年生で初めて聞いた自分の声が衝撃でした。「え? 私ってこんな声だったんだ!」って。ただ、家族みんながワーッて盛り上がってくれたのは嬉しかったです。お姉ちゃんが小6くらい。お兄ちゃんは思春期真っ盛りで(素っ気なく)「へー、なんかすげーじゃん」みたいな感じだったけど。

―― あはは。

伊藤 でも徐々にお兄ちゃんも、「すごいな」って思ってくれるようになったみたいです。