今期のドラマのメインストリームは警察・法律もの。まあ、それはそうです。刑事も弁護士も“事件”という非日常&イレギュラーな案件を扱う人たちですからそこには“物語”が生まれやすい。事件解決=1話完結だと収まりもいいですし。

予備校で起きるイレギュラー案件といえば

 では逆にイレギュラーな事態が起きない場所ってどこでしょう。……学校? いえいえ、菅田将暉先生は生徒を人質に取って立てこもり中です。不動産会社では北川景子がユーチューバーやダブル不倫のカップルに家を売り「ゴォーッ!」と檄を飛ばしていますし、イベント会社派遣社員の杉咲花は占いで他人の人生を変えまくり中。

 となると、やはりここですね……予備校。

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 学校ほど生徒のプライベートには立ち入らず、志望校合格というわかりやすい目標に向かってひたすら勉強する場所。予備校で起きるイレギュラー案件といえば、講師と生徒の恋愛くらい……。あれ、これはこれで“事件”か。

 そんな“事件”の渦中にいるのが、TBS系列で放送中のドラマ『初めて恋をした日に読む話』、通称『はじこい』で主演を務める深キョンこと深田恭子です。

昨年11月に36歳の誕生日を迎え、“アラフォー”になった深田恭子 ©文藝春秋

こんな完璧にキュートなビジュアルで恋愛に鈍感って……

 第1話を観た感想は「リアリティ、なさ過ぎ」でした。主人公の春見順子は32歳の予備校講師。かつては高校でトップの成績を誇り、親の期待を一身に受けて東大を受験したものの合格できず、アラサーになった今も実家暮らしで恋愛からは遠ざかる日々。いろいろこじらせ、超鈍感という設定なのですが……いやいやいやいや。

 だって、こじらせているはずのR30女性が、ツヤツヤの髪の毛を綺麗に巻いて、ちゃんとつけまつげを装着し、ゆるふわコーデで職場に行きます? こんな完璧にキュートなビジュアルで恋愛に鈍感って……ないないないない。

 おまけに、彼女に恋をするのは東大卒で今は商社でバリバリ働く従兄弟の雅志(永山絢斗)、高校時代の同級生で、かつて順子に告白したこともある元ヤンキーの高校教師・山下(中村倫也)、そして親への反抗心から髪をピンクに染め東大を目指す底辺校の高校生・由利匡平(横浜流星)と、バラエティに富み過ぎた男性陣。いやあ、これって完全に少女漫画の世界ですよ。

 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 

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『はじこい』に出演している(左から順に)中村倫也、横浜流星、深田恭子、永山絢斗(Instagramより)

 そう、このドラマはそもそも同名の少女漫画が原作で、2016年より始まった連載は今も継続中。が、ここではもう一歩先に進んで考えてみたいのです。なぜ深田恭子は「ザ・少女漫画」の世界観をがっちり背負えるのか。