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『はじこい』深田恭子は、なぜアラフォーになってもファンタジーの主役なのか

「媚びないガーリー」が突き抜けている稀有な女優

2019/02/26

とにかく多いのが「きゅんきゅんした」という感想

 ドラマ『はじこい』のSNSでの感想を読んでみると、とにかく多いのが「きゅんきゅんした」という文言。まったくタイプの違う3人の男性から想いを寄せられているのに、持ち前の鈍感さから彼らの気持ちにきちんと気付けず、時に突拍子もない行動に走る順子。

 コレ、順子役の女優からあざとさや媚びが見えてしまったら大事故です。女性視聴者はこのドラマのありえない設定を少女漫画=ファンタジーとして楽しみ、「優しさとスペックなら雅志かな」「でもセクシーさなら絶対に山下くん」「とはいえ、ユリユリのあの瞳には確実に堕ちる」ときゅんきゅんすることで、面倒くさい日常からほんのひと時離脱したいのですから。

「媚びないガーリー」が突き抜けている稀有な女優

 設定にリアリティが必要ないと考えれば、順子が教え子であるユリユリの模試にショッキングピンクのロングコートと同色のハイヒールで駆けつけるのも、目の前で山下くんに告白されて気付かないのもすべてOK。そんな予備校講師はいない? 東大受験をナメるな? いえいえ、ファンタジーの世界に下手な現実なんていらないんですよ。ラブコメの王道、少女漫画の完璧なアイコンとして画面の中央に立てる大人の女優……。これはもう、深田恭子以外考えられない。アラフォー女優で、このシチュエーションを成立させられる人材、他にいるでしょうか。

デビュー直後、1998年の深田恭子 ©共同通信社

 こうなったら、深キョンには末永く「媚びないガーリー」を極める女優であり続けて欲しい。私たちはその代えがたい存在に、宝塚歌劇団の娘役や恋愛乙女ゲームのキャラクターのごとく自らの想いや願望を投影し、ひと時の夢を見ることで、このクソみたいな世の中をなんとか明日も生き抜こうと心にパワーチャージするのです。

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