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「地方でのんびり暮らす幻想」VS「都会で消耗している日常」は本当に二項対立か

都会では顔も知らぬ他人によるムカつく事例がたくさんあります

2019/02/28
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仕事はともかく教育はどうするの

 確かにイケダハヤト師に「まだ東京で消耗してるの?」と煽られると、うーーーん、と冷静に考えて確かに疲れますよね、都会暮らし。別に東京に限らず、大都市圏や地方都市で暮らしていても、また通勤電車に揺られているかマイカー通勤で暮らしているかを問わず、見知らぬ人が集まって暮らすというのは、こうも面倒が多いものかと思うわけであります。

 じゃあイケダハヤト師のようにどこぞ僻地の山間部に引っ越して、自力であばら家建てて奥さんと子ども3人育てて羨ましいかと言われると全然楽しそうに見えない。仕事はともかく教育はどうするの。頭の変わった人が都市生活から無様に弾き出されてネットで面白炎上重ねて小銭巻き上げながら不便な生活を強いられているように見えてしまうわけです。実際がどうなのかはともかく、都会暮らしが大変だからそのまま田舎に流れて行って、本当にそれは幸せなのかと言われると誰も正解は分からない。

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人生何かと上手くいかないのが日々の暮らし

 大学時代の友人が、やはり都会生活に疲れて、子どもにとって良い環境を求めて鎌倉や幕張方面に引っ込んでいったけど、仕事が左前になって転職をしようとするも地元でなかなか見つからず、結局は2時間近く満員電車に揺られて通勤している愚痴をFacebookで吐いているのを見ます。そんな不満をタイムラインに流されたところで私はどうすればいいのだ。「いいね!」とか押すのか。排ガスが嫌だからと群馬に引っ越していったら雪に降られて凍ってたり夏は酷暑をもたらすフェーン現象の体験者になっていたりとか、人生何かと上手くいかないのが日々の暮らしなんだなあという思いを新たにするわけであります。

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 都会が嫌というのは、人間関係だったり、教育・子育てだったり、介護だったり、生活のペースだったり、いろんなところで行き詰って、思い悩んで、ええいリセットだ、思い切って田舎暮らし! という話なんだろうと思うわけですが、前述のイケダハヤト師の例は極端だとしても、やっぱり思っていたのと違うという状況はあるんでしょう。