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インフルエンザ40度超えの病床で考えた「安心して病気にかかる社会」

私の怠惰な知性を正面から打ち砕くような高熱デイズでした

2019/02/15

 インフルエンザに罹りましてね。皆さんも気をつけてくださいよ。相変わらず、ガチでヤバいですってほんとに。

 私は毎年ちゃんとインフルエンザワクチンは接種しているんですよね。

 なのになぜ、なぜコンスタントに罹るのでしょうインフルエンザ。まあお客さんも必死でしょうから幾らでも抜け道を見つけて入ってこようという魂胆かもしれませんが。油断も隙もあったものではありません。お客さんってなんだか分かりませんが。

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 数年前も、インフルエンザAのワクチンを打って、無事インフルAが流行したので「ああワクチンを打って良かった」と思ったらインフルBに罹って無事死亡という事案がありまして、まったく油断がなりません。不合理に過ぎる。まるでインフルエンザに「B型が流行していないからといって、罹らないとはいつ言った?」と煽られている気分です。

ワクチンしていても効かないことがある

 そればかりか、今年はインフルエンザAのワクチンを打ってインフルエンザAにバッチリ罹りました。それも40度超え。おいちょっと。46歳にもなって40度ってなんだよ。赤ちゃんじゃねえんだからよ。ほんとやべえんすよ、40度。昼から汗だくになって自宅で裸踊り。そりゃ異常行動の一つもしたくなりますって。「ワクチン打ってるし大丈夫だろう……大丈夫だろう……」と寝言のように繰り返しつぶやいていた私もさすがに耐えかねて病院に駆け込んで検査してもらったら「んー、インフルAですね」。

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 あれ、ワクチンしていたら重症化しないはずでは……と話しても、お医者さんは「今年はワクチンしていても効かないことがあるみたいですね」と。そうですか……。「ワクチンを打っていれば重症化しないと言ったな。あれは嘘だ」という事態でありまして、頭でっかちの知識にすがってきた私の怠惰な知性を正面から打ち砕くような高熱デイズであります。

 そして家族からは物理的に隔離され、心配した家内が水分と柔らかい食べ物を持ってきてくれます。ありがたや。ありがたや。処方された薬を飲み、ただひたすら寝る。神から与えられた休息の機会だと思ってゴロゴロするわけです。