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2019/03/05

genre : ニュース, 国際

1000万人の受験者が狭き門に殺到する

 そもそも、中国のニセ教育施設の歴史は長い。過去の例を調べると、1996年に山西省太原にニセ人民解放軍のニセ航空学校(空軍学校)が登場して以後5年間にわたり学生を受け入れ、ニセ校舎でニセ教育をほどこして学費ほかの費用を騙し取り続けていた……などといった凄い話もある。

 ただ、中国全土でこれだけ多くのニセ大学が生まれたのは、おそらくここ10年くらいの話だ。前述の2017年6月の報道で大量(392校)のニセ大学の存在が暴露されてからも、中国国内の報道を見る限り、ニセ大学は生まれ続けている模様である。

 理由はネット時代に入ったことが大きいだろう。一昔前と違って紙の書類やパンフレットなどをほとんどやりとりしなくなったこともあり、ニセ大学のホームページさえ作れば、ごく少人数でも学費や入学金を騙し取る詐欺をおこなうことが可能になったのだ。昔のようにニセ校舎まで準備して騙すのと比べれば、ネットで罠を仕掛けるのはずっと楽なのである。

 今年6月に実施される2019年度の高考には、中国全土で1000万人以上の受験者が見込まれているという(ちなみに今年1月に実施された日本のセンター試験の受験者は約54.6万人)。人口大国で狭き門に殺到する若者を対象にした怪しい受験詐欺は、なかなかなくなることはなさそうだ。

2018年の「高考」。モニターから受験生を監視するスタッフ ©AFLO

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