ボサノバの第一人者・小野リサとDJ TAROの縁

　日本人ボサノバシンガーの第一人者である小野リサさんが、2枚のアルバムを同時リリース。どちらも、J-WAVEのナビゲーターとしてもお馴染みのDJ TAROさんがミックスを手掛けた。2人は実は旧知の仲。ブラジルの人気歌手であるTAROさんの母親、ソニア・ローザさんを日本に招聘したのはリサさんの父親なのだそうだ。

「私の両親が移住先のブラジルから帰国した後に開いたお店に、まだ幼かったTAROさんがお母さんに連れられてときどきブラジル料理を食べに来てくれたのです。当時の彼はとても可愛くて。そんな縁のあるTAROさんが心を込めて作ってくれました」

　一枚は「LAPINHA」「VENUS」「SUNNY」等、サンバ、ディスコナンバー、ジャズのスタンダードなどが、もう一枚は「ブルーライト・ヨコハマ」「あの日に帰りたい」「ワインレッドの心」など日本の歌謡曲やポップスが、いずれもボサノバカバーされてノンストップで紡がれていく。耳馴染みのある曲も多く、包み込むような歌声が、聴く者をそれぞれの「あの頃」に優しく誘う極上のアルバムだ。今年でデビュー30年。

「ミュージシャンとして、また母親としての月日を重ねてきた分、これまで幾度となく歌ってきた歌詞の中に、改めて深く共感したり、新しく感じ入る部分を見つけることが増えてきました。その発見を楽しみながら歌っています」