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いつも心に「金正恩」を――米朝決裂で改めて考えたい数奇な人物

まあ、どうであれ日本は平和なわけですよ

2019/03/08

 アメリカ大統領をされているトランプさんとの交渉が事実上決裂した、北朝鮮の金正恩さん。失意の帰国と伝えられていますが、決裂したなら仕方がないと帰国後すぐにミサイル発射試験場が復旧された証拠となる衛星写真が公開になるなど、分かりやすくて素敵です。

米朝会談決裂は日本の安倍晋三が暗躍したから?

ハノイにて会談に臨んだトランプ大統領と金正恩委員長(駐ベトナム米国大使館サイトより)

 北朝鮮を巡る動きや、朝鮮半島情勢は専門家に任せるとしても、近隣国の国民として北朝鮮の話題を把握し、理解し、自分なりに評価を下しておくことは大切です。間違っても韓国野党代表が「米朝会談決裂は日本の安倍晋三が暗躍したからだ」というような陰謀史観を信じ込んではいけないと思います。もし事実としてそれができるのなら、我らが総理のアベちゃんはどんな超能力を使っているのか知りたいですし、優秀な宰相であることが証明されてしまうのでみんな一生ついていってしまうでしょう。すごいぞ、うちのアベちゃん。

米朝会談決裂の原因は日本の妨害? 韓国野党代表がフェイスブックで主張 米華字メディア
https://www.recordchina.co.jp/b691972-s0-c10-d35.html

 報道では、トランプさんが金正恩さんとの会談の冒頭で核開発その他の懸案事項よりも先に日本拉致問題についての見解を投げかけて、金正恩さんが驚いたという内容が出ていました。おそらくは、北朝鮮にとっても、また韓国にとっても、朝鮮半島の問題における日本の重要性が低いのは間違いないのです。日本もまた、何か面倒が起きているから朝鮮半島問題や北朝鮮問題については報じられて興味を持つ程度で、別に発射実験をして核ミサイルが日本領土や領海に落ちて怪我人でも出ない限り、あんまり興味がないというのもまた事実であります。

専用機でベトナムに到着したトランプ大統領(駐ベトナム米国大使館サイトより)

うっかり北朝鮮と韓国が本当に一体となると……

 一方で、トランプさんが言ったように拉致問題は引き続き残りますし、拉致被害者や家族にとっては一日でも早い安否の確認と帰国を促したいのは間違いない。

 また、うっかり北朝鮮と韓国が本当に一体となってしまい、米韓同盟がなくなって、朝鮮半島が「北朝鮮の核の傘」に入ると、とたんに「おい、日本はどうするの」って話になります。ヤバイ。なので、日本も核開発して核兵器を自前配備しよう、そのためにアメリカの諒解を得ながら頑張っていこうというリアクションになり、東アジアでも核拡散、核軍拡という軍靴の足音が鳴り響くことになるのでしょうか。