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 そして、飯能市。西武池袋線の秩父の手前にあるこの街は、サラリーマンが池袋に通勤するにはほぼ限界立地。おまけに駅前にはぱっとした商業施設なども少なく、街としての特徴はこれといってない、ぼんやりした街だった。ところがこの飯能市。なんと自らがフィンランドになることを宣言したのだ。西武池袋線「飯能」駅から北へおよそ3.4キロメートルのところにある宮沢湖という何の変哲もないダム湖の湖畔に昨年11月、突然「メッツァビレッジ」という施設が誕生。「メッツァ」とはフィンランド語で「森」を意味する。この施設は北欧のライフスタイルを体験してもらおうというもので、アメリカ商業主義的なハコモノを作るのではなく、自然と一体となって寛ぐことを目的にしている。

 飯能のフィンランド化は留まるところをしらない。今月16日にはこの場所に「ムーミンバレーパーク」が誕生する。ムーミンといえばフィンランドの作家トーベ・ヤンソンの童話。フィンランド以外の国ではいっさい展開していないムーミンのテーマパークが、あろうことかこの飯能で実現するという。パーク内は4つのエリアに分かれ、ムーミンというキャラクターを通じて様々な体験や冒険、思索を楽しんでもらおうという算段だ。

ムーミンパーク

「めしのう?」「はんのう!」CMにも取り入れている自虐

 西武鉄道の気合もハンパない。西武池袋線「飯能」駅はフィンランドのデザイナーによってムーミンバレーパークのオープンに合わせて大改装が施される。ちなみに1、2番ホームはフィンランドの「春」を、3、4番ホームで「夏」を、特急ホームで「冬」をテーマとし、夏と冬に挟まれてほとんど存在しない「秋」は省いているという。また特急に新型列車「ラビュー」をデビューさせ、都心から飯能へのアクセスがぐっと良くなる。

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 テレビCMには女優の土屋太鳳さんを起用。「秩父の手前の飯能」とか「めしのう?」「はんのう!」など埼玉県民特有の自虐ネタを織り交ぜながらコミカルなダンスを披露している。

「翔んで埼玉」どころか「ぶっ飛び埼玉」になっている埼玉県。いったいどこに行こうとしているのだろうか。埼玉県のこれからの動きに目が離せない。