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あの日は、今度こそイエメンに行けると考えていた

――今回は、どういうルートで渡航しようと?

常岡 いくつかルートを検討しまして、最終的にはスーダンからイエメン行きの飛行機に乗ろうと考えました。スーダンは、対米関係が良好ではない国でもあるので、仮に何か日本大使館から申し入れがあったとしても、影響が少ないだろうと思いました。

 ただ、スーダンに渡航する場合はビザの申請が非常に込み入っています。日本人がビザを取得できるかどうかをまず確認しようと思い、申請してみたところ中1日で観光ビザを取得することができました。スーダンで取材をする予定はなかったので、単に数日間待機して、イエメン行きの飛行機に乗るというためのビザです。

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 そして今度こそ、イエメンに行けるのではないかと考えて、羽田空港からまずカタールの首都・ドーハ行きの飛行機に搭乗するつもりでいたのです。チェックインをして、出国審査場へ行きました。国際線の自動化ゲートにパスポートをかざしたところ、「パスポート情報は登録されていません」と表示されました。

 

――冒頭の2月2日ですね。「パスポートが登録されていません」と。

常岡 はい。自動化ゲートはスピーディーに出国審査を受けられるシステムで、事前に登録が必要なのですが、私の場合は手続きも済ませてありましたし、パスポートに「自動化ゲート登録済」というスタンプも押してあります。それなのに「登録されていません」。入国管理局職員である窓口の担当者に「何か、おかしいんですけど」と相談したところ、「おかしいですね、機械が壊れているのかな……」という反応をされて、しばらく調べたあとどこかへ電話をしていました。そして「パスポートが無効化されています。常岡さんにパスポートの返納命令が出されています」と告げられました。これが、22時30分頃のことです。

「外務省オペレーションルーム2」から届いたFAX

――空港で「返納命令」が出ていることを知ったと。

常岡 はい。非常に驚いていたところ、窓口の担当者は外務省・領事局旅券課と連絡を取り、その電話を私に渡してきました。そしてその電話で「旅券返納命令が出ているので、旅券の返納を求めます」という説明を受けました。私がオマーンで入国を禁止されているというのが旅券を返納するべき理由ということです。

 オマーンの時に感じた、どうも不穏な感じをすぐさま思い出しましたね。そして23時15分、「外務省オペレーションルーム2」という場所から羽田に、FAXが送られてきたのです。