文春オンライン

「オンナは? 軽い子を」性接待疑惑のBIGBANG・VIを追い詰めたのは若手女性記者だった

取り調べが続く中、VIが週刊誌のインタビューで語ったこと

2019/03/22
note

スンリの痕跡が跡形もなく消された

 メッセージの中で、「警察総長」と呼ばれ、現在取り調べを受けているこの警察官は、スンリが経営していたクラブがある江南警察署でクラブなどを取り締まる生活安全課に所属し、その後は青瓦台(大統領府)の民情首席室に勤務した後、現在は警察庁で総警(日本の警視と警視正の間ににあたる)の階級で要職に就いていたといわれる。ちなみに、韓国の警察のトップは警察庁長官で、警察総長という肩書きはない。

 強行に法的に対処するとしていたYGは3月13日、スンリからの契約解消の申し出を受け入れる形で、「(スンリとの)専属契約を終了することにした」とし、同社のホームページからはスンリの痕跡が跡形もなくすべて消されている。

スンリ(V.I) ©getty

取り調べが続く中、スンリが週刊誌のインタビューで語ったこと

 取り調べが続く19日、スンリは韓国の週刊誌『時事ジャーナル』(3月19日)とのインタビュー記事で心情をこう吐露した。

ADVERTISEMENT

「警察総長と書くくらいわたしたちは何も知らなくて、アホどうし、友だちどうし、ホラ吹いて虚勢を張っていたんです。これが脱税、警察との癒着という世論になってしまった。実際、今は真実を話しても誰も信じない状況です。捜査機関すらカカオトークの内容がすべて事実であり証拠だと考えています。

 ああ、わたしが有名で芸能人という理由だけで本当に冷静に『やったことが合っているのか合っていないのか』判断されてしまわないか怖いです。正直、国民に申し訳ないと思いながらも悔しさを訴えたり、反論できないところにいるじゃないですか。最後にひと言だけ言うなら、海外遠征賭博や性接待斡旋はなかったです」

 この日、スンリの会社の共同代表を務める人物も謝罪文を公表し、スンリ同様、「ホラ吹いて虚勢を張っていた」だけだとし、性接待斡旋や警察との癒着についても否認している。

 カン記者にインタビューを申し込んだが、「後続取材のため、申し訳ありませんが受けられない」という返事が。

関与したとされる歌手が逮捕、癒着疑惑の警官は5人に

 SBSのインタビューによると、カン記者がスンリの「性接待疑惑」の取材を始めたのは2015年頃からだそうで、「最近では韓流スターが大きな権力や富、人気、さらには名誉まで持ち得て、彼らが持っている名誉や人気を利用して女性を性的な道具にしたり、さまざまな社会問題を起こしている」、「私たちの社会は韓流という名前ですべてのことを許し、監視や批判を怠っていたのではないか、そう思い、そういう部分についても徹底して考えるべきだと思っています」などと語っていた。

 カン記者は過去にも日本でも知られるガールズグループ「KARA」の元メンバー、ク・ハラの元彼の暴行事件などについてスクープがあり、「業界やネットではレジェンドとも呼ばれている」(前出スポーツ紙記者)のだそうだ。

元「KARA」のク・ハラ ©getty

 韓国ではスンリが経営していたクラブの名前から通称「バーニングサン疑惑」や名前から「スンリゲート」と呼ばれるこの事件。

 スンリの取り調べは22日現在続いているが、21日には、カン記者に実名で報じられたスンリの友人の歌手兼タレントが盗撮および盗撮動画の流布の容疑で逮捕され、癒着が疑われる警官は5人に膨れあがり、スンリの元所属事務所のYGには国税庁の特別調査が入る(20日)など事件はさらなる広がりを見せている。

「オンナは? 軽い子を」性接待疑惑のBIGBANG・VIを追い詰めたのは若手女性記者だった

X(旧Twitter)をフォローして最新記事をいち早く読もう

文春オンラインをフォロー