大学入試改革を控え年々高まる中学受験人気。都内進学塾を舞台に子供らの放課後の戦いを、最新受験情報を織り交ぜリアルに描く高瀬志帆さんの漫画『二月の勝者』第4巻(小学館)が先月発売された。

©高瀬志帆

「私は地方出身で最初は少し中学受験に誤解があったんです。夜9時まで外で勉強するなんて、と。でもご縁で原作のある中学受験漫画を描いた時、それは一面的な見方だったと気付いたんです。そして親子のドラマとしてだけではなく、塾の側から描けばまた違う“中学受験”の姿が見えてくるのでは、と考えました」

〈それでも教育者なんですか?〉〈塾講師は「教育者」ではなく、「サービス業」ですよ〉中学受験塾・桜花ゼミナールの新米講師・佐倉と、若き校長・黒木との、ときに鋭く対立する生徒指導の姿勢は“中学受験”の一筋縄ではいかない現実をありありと伝える。

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「私自身は、小学生が一生懸命勉強して受かった学校が、仮に第一志望ではなくても、受験が子供にとって前向きな経験になれば良いな、と思っているんです。エンターテインメントですから様々な読者の方に届いて欲しいですが、保護者の方がこれを読み、そもそも中学受験をなんのためにするのか、子供にとっての幸せは何かを話し合うきっかけになれば、嬉しいですね」