公益財団法人日本城郭協会の創立40周年記念事業として、「日本100名城」が選定されてから10年。もともと趣味として根強い人気のあった「城めぐり」だが、今や一大ブームとなりつつある。その証拠に、各城の来歴やみどころをコンパクトにまとめたガイドと、スタンプラリーの公式スタンプ帳を合わせた2012年刊行の本書は、昨年売れ行きが加速。1年間でそれまでの4年間とほぼ同数、約10万部を売り上げた。
「まず大きかったのは、5年半にも及んだ姫路城の大改修が、2015年春に終了したことです。新聞やテレビのニュースで報道され、情報番組などでもとりあげられる機会が増え、その築城技術のすばらしさが広く知られるようになりました。そこから身近にある城の魅力を見つめ直す流れもできたんです。こうしたことにくわえ、世界情勢の不安から国内旅行に目を向ける方が増えたことや、海外からの観光需要の高まりも影響したようです」(担当編集者の早川聡子さん)
北は北海道から南は沖縄まで、100名城は47都道府県満遍なく選定されており、スタンプラリーを目的に幅広い土地を目指せる。旅行ガイドとしても優秀だ。
「城には必ず歴史がありますし、ブームの影響で予算がつき、発掘調査が進んで新事実もどんどん見つかっています。何かに関する知識を極めたい、深掘りしたい方にも、城はおすすめの趣味ですよ」(早川さん)
2012年4月発売。初版2万9000部。現在19刷21万部