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式辞:開幕ダッシュに失敗した君へ

文春野球コラム ペナントレース2019

2019/04/06

壁にぶち当たった時に何をするべきか

 重要なのはここからです。だからこそ、皆さんの多くは「開幕ダッシュ」に失敗します。新しい環境で様々な試行錯誤を繰り返し、その多くで失敗し、壁にぶち当たる事になります。授業の内容はよくわからないかも知れませんし、友達もすぐにはできないかも知れない。憧れた一人暮らしはただの寂しいだけの毎日かも知れないし、お金も足りないかも知れない。実際、大学ではゴールデンウィーク頃になると、早くもホームシックやハイスクールシックにかかる人が出ます。「元の場所に戻りたい」、壁に当たったらそう思うのは当然です。

 でも考えましょう。皆さんはもう元の場所、つまり3月まで通っていた高校や(大学院生の場合には卒業した)大学には戻れません。そして何よりも、皆さんの学生生活はまだはじまったばかりです。壁にぶち当たった時こそ、前を向きましょう。そうすればきっと周りには同じ悩みを抱えている仲間がいます。まずは落ち着いてどこで間違ったか、そしてここから何ができるかを考えましょう。大学には何千という講義があり、万を超える学生が学んでいます。だから、あなたが成功できる、あなたにあった場所がどこかにある筈です。

 そしてもっと重要な事があります。無限に存在する可能性をどう組み合わせ、自らの将来設計をする為に、最も重要なのはそこにどんな機会があるかを知る事ではありません。それよりも重要なのは、そもそも自分自身が自分自身をどうしたいのかを考える事です。目標がなければ将来の計画を立てる事はできないからです。皆さんには大学に入る前に様々な夢や目標があった筈です。壁に当たった時こそ、その夢や目標が何であったかを思い出す事が重要なのです。

 だからこそ、もう一度言いましょう。壁にぶち当たった時こそ、前を向き、そして最初に自分が何をしたかったかを思い出しましょう。そう「開幕」を迎えた瞬間のあなたを思い出すのです。あなたの「シーズン」はまだはじまったばかり。1週間やそこらでその「シーズン」の行方が決まる筈がありません。

 そして最後にもう一つ思い出しましょう。皆さんには皆さんの成功を見守ってくれる「ファン」もいます。あなた達が挫折しても、あなたたちの事を応援しています。もちろん時には「スタンド」から厳しい檄が飛ぶこともあるでしょう。でもそれはきっと壁にぶち当たったあなたに「そこが壁だ」と教えてくれているのです。大丈夫、あなたの「ファン」ですから、あなたが連敗する事なんて慣れています。見離しなんかしませんよ。

 頑張れオリックス・バファローズ。前を向け。君のシーズンはまだはじまったばかりだ。

開幕ダッシュに失敗したオリックス・バファローズ ©時事通信社

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