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『まんぷく』の主人公は福子であり、萬平ではない

 また、結婚当初からつねに萬平を信じ、支えてきた福子――「まんぷくラーメン」ターンと「まんぷくヌードル」ターンでは、そのテンションが少し変わったものの、やはり彼女は最後まで自分が前に出ることなく、夫を支え、助ける妻でありました。

妻・福子を演じた安藤サクラ ©AFLO

「まんぷくラーメン」開発時には喫茶店のパートで家計を担い、なにかに憑りつかれたかのように研究に没頭する萬平を「信じます」「大丈夫」「萬平さんはきっとやれる」と『巨人の星』の明子姉さんばりに柱の陰から見つめ、励ましサポートし続けてきた福子。

 そして「まんぷくヌードル」のターンに入ってからは、麺を容器に上手く入れ込む技術も、カップのふた圧着の方法も、若者にアピールできる場所で売ればいいという作戦も、すべて福子が日常生活から得たヒントが発端。萬平は福子発信のアイディアをもとに、「福子、それだ!」と一気に問題を解決していくのです。

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 あれ? これってなにかに似ている……私たちがよく知っている、あの優しい世界に。

 困難に見舞われる萬平にさまざまなアイディア=“ひみつ道具”を出して、その挑戦を後押しし、陰からそっと見守る福子。

『まんぷく』において、福子はドラえもん、萬平はのび太でした。

©iStock.com

 2月に寄稿したコラム「朝ドラ『まんぷく』で『萬平さん』連呼の安藤サクラにモヤモヤする」の中で、「萬平さん」ではなく「わたし」が主語になる福子が見たいと書きました。『まんぷく』の主人公は福子であり、萬平ではないはずだと。