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いまでも一番深刻なダメ出しをする人は「妻」

 

マキタ 決してノロケとかではなく、端的に極度の変わり者なの。夢を語ってる男と結婚して子供を産んで家庭を持っちゃう時点で、普通じゃない。成功するかどうかなんて誰にも、俺自身にもわからないはずなのに、彼女は平然と「わかるよ」って言ってたからね。で、その通りに売れたら売れたで「世間に取られた。悔しい」って、頭おかしいでしょ。

おぐら それはマキタさんの才能を心から信じているっていう感覚なんでしょうか。

マキタ というより、売れない時代からマキタスポーツを認めている私は偉い、みたいなことだと思う。

おぐら 誇り高きファン心理ですね……。

マキタ だからいまでも一番深刻なダメ出しをする人だよ。俺がちょっと客のご機嫌をとるようなことをすると、すぐさま「あれは媚びすぎ」とかって言ってくる。いやいや、俺にもいろいろニーズがあるし、君のためだけに芸を披露してるわけじゃないからって言っても聞く耳を持たない。でもダメ出しの精度は完璧だから余計に困る。いまや家族だから忖度なしで言うけど、俺は妻のことを異常者だと思ってる。

信念って結局は「狂ってる」っていうこと

おぐら まぁでも、異常者と一緒にいるって大事なことですよね。僕も最初に編集者の見習いとして付いた師匠が異常者で、その人と常に一緒にいるときが自分史上一番おもしろかったなと思います。

マキタ 信念って結局は「狂ってる」っていうことだから。薄めたものじゃない。たとえ売れなくても彼女は俺を選んだだろうし、いわゆる「売れない時代を支えた献身的な妻」とも全く違う、「マキタスポーツを選んだ私が一番すごい」っていう、その感覚には勝てないよ。俺自身が彼女のそういう感覚に引っ張られてる部分も大いにあるからね。

 

おぐら マキタさんは「芸人はビジネスマンだ」ってよく言ってますよね。現場ごとの力関係を把握して、自分の役割を全うするような“政治力”が大事だって。

マキタ ビジネスマンであり、政治家に通じる部分は大いにあると思う。

おぐら でもそういった素養はマキタさんにはあんまりないような。

マキタ 少なくとも、いまのバラエティ番組のマナーには向いてないね。そもそもロビー活動が得意じゃないし、だから遠回りしたんだと思う。