売れてる芸人ほど、めちゃくちゃ怖い目してる
おぐら 政治家は腹黒いっていうのがステレオタイプなイメージとしてありますが、芸人にそういうイメージを持ってる人って、そこまで多くはない気がします。
マキタ え、ほんとに? あんなに目が死んでる人たちなのに?
おぐら 一般的には、明るくて楽しい人たちだなって思われてますよ。
マキタ それは誤解も甚だしいね。売れてる人ほど、めちゃくちゃ怖い目してるじゃん。光なんかひとつもない。「芸人は楽屋では静かでおとなしい」とか言われることもあるけど、そんなのはまだ甘くて、家に帰る瞬間まで絶対にスイッチを切らないっていう人もいるからね。
おぐら 神経を研ぎ澄まし過ぎると、そうなりますよね。でもカメラの前では「ちょっと待ってくださいよ~」って明るく振る舞って。
マキタ MCを任されるようなクラスになると、ボケもツッコミもリアクションも全部できるような人たちばっかりだから。
おぐら 特化した能力ではなく、抜群のユーティリティー。
マキタ 使い勝手がいい人ほど、目が真っ黒になってる。
おぐら でも観客には明るく楽しいように見せることも大事じゃないですか。
マキタ そこはピエロだからね。サーカス団にはいろんな種類の生き物がいるけど、やっぱり一番おそろしいのはピエロだよ。
おぐら ピエロであり、優秀なビジネスマンであり、政治家でもあると。
マキタ ひとつの業界で長く流通させるためには、マネジメント力も必要。それと、いまのテレビって基本的にディフェンシブでしょう。テレビ業界の景気が悪いせいで、失敗が許されない。そういう状況の中では、マルチプレイヤーの芸人が最も重宝されるのは必然。
おぐら だから、ニュース番組やワイドショーのコメンテーターに芸人が登用されるのは、決して攻めの姿勢ではなく、むしろ守りなんですよね。
マキタ めちゃめちゃ守りだよ。
おぐら 芸人は賢いし、機転はきくし、知名度もユーモアもあるし、一人で何役もこなせるから、コスパが抜群にいい。