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労働者と使用者はあくまで「対等」な立場

 繰り返しになるが、「会社の常識」は「社会の常識」とはイコールではない。会社で「当たり前」と言われたことでも、少し立ち止まって、「本当にそうなのかな」と疑ってみることが大切だ。

 その上で重要なのが、「契約」や「権利」といった考え方だ。労働者と使用者はあくまで「対等」な立場で、契約により労働力と報酬を取引しているに過ぎない。会社から命じられたことでも、それが「契約」に基づいた命令なのか、自身の「権利」を不当に侵害しているものではないかという点を考えないと、大きな損をしてしまうかもしれない。

 新しく入った会社で、「貢献したい」「活躍したい」と考えるのは当然のことだ。それは大切だが、その一方で、その気持ちにつけ込んで、若者を使い捨てようとする企業があることも忘れてはならない。

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自分のキャリアを守っていくことも大切な能力

 自分自身が「壊されない権利」や、適切に仕事を教えてもらって健全な環境で働く権利をしっかりと行使していくことが大切だ。労働法などのルールを活用し、自分のキャリアを守っていくことも「社会人」として大切な能力だと覚えておいてほしい。

 そして最後に、もう一つ覚えておいてほしいのは、困ったときには専門家に相談をするということだ。無料で相談を受け付けている団体も数多く存在する。「会社の常識」に飲み込まれないためにも、疑問を感じたら、相談窓口に連絡して客観的な立場からのアドバイスを聞いてみてほしい。

INFORMATION

無料労働相談窓口

NPO法人POSSE
03-6699-9359
soudan@npoposse.jp
筆者が代表を務めるNPO法人。訓練を受けたスタッフが法律や専門機関の「使い方」をサポートします。

裁量労働制ユニオン
03-6804-7650
sairyo@bku.jp
裁量労働制を専門にした労働組合の相談窓口です。