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連載『めちゃイケ』、その青春の光と影

「ブスをビジネスにする――光浦靖子は発明をした」『めちゃイケ』片岡飛鳥の回想

フジテレビ・片岡飛鳥 独占ロングインタビュー#6

 フジテレビ・チーフゼネラルプロデューサー片岡飛鳥氏のロングインタビュー第6回。今回も人気のテレビっ子ライター・てれびのスキマさんがじっくり聞きます。(全11回の6回目/#1#2#3#4#5#7#8#9#10#11公開中)

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「アンタには私たちブスの苦しみがわかってないから!」

<若手発掘のネタ番組『新しい波』で出会ったナインティナイン、よゐこ、極楽とんぼ(→#5)が中心となり、1993年4月8日、ユニットコント番組『とぶくすり』が始まった。そこに加わったのが、光浦靖子(オアシズ)と本田みずほ(※1)だった。一方で大久保佳代子(オアシズ)の抜擢は『めちゃイケ』への合流(99年4月17日)まで遅れることになる。>

 オアシズは、『新しい波』にも出てましたけど、実は僕の担当回ではないんですよ。のちに『いいとも』のプロデューサーもしていた伊戸川(俊伸)さんという先輩ディレクターの担当。だから、岡村がよく「伊戸川班のオアシズは花の飛鳥組の俺らとは“出身の村”が違う」ってイジるんですけど。オアシズは胸を張って「伊戸川班のどこが悪いんだよ!」って(笑)。

フジテレビ・チーフゼネラルプロデューサー片岡飛鳥氏

『新しい波』は演者も新人だから、アナウンサーも新人でって、いまや大ベテランですけど当時新人の西山喜久恵(現フジテレビチーフアナウンサー)が司会だった。光浦は東京外国語大学で、大久保が千葉大学。で、2人は早稲田大学の寄席演芸研究会にいて、確か彼女たちが出た学園祭を見に行った伊戸川さんがキャスティングしたんです。だから、いわば素人みたいな女子大生がフジテレビにネタをやりに出てきた。異例ですよ。シンデレラストーリーとかじゃなく戦後のドサクサみたいな感じ(笑)。

 かたや、蝶よ花よと育てられて上智大学からフジテレビのアナウンサーになった西山。番組はネタよりもオアシズと西山のフリートークが面白くなるんですけど、実は彼女たちはちょっと前にその寄席演芸研究会のコンパで出会ってたんです。光浦が「私たちブスは、早稲田の男子から口をきいてもらうこともなく、一番端っこの“ブス席”で飲んでた。そしたらその日、『今日はゲストとして、なんとフジテレビに内定を受けたアナウンサーが来ます』って西山さんが現れたんだ」と物怖じもせず一気にまくしたてた。「男子からバカみたいにチヤホヤされてたアンタには私たちブスの苦しみがわかってないから!」「いや、そんなことないです」って西山は一応言うんだけど、わかるはずがない(笑)。

新人アナとして『新しい波』で起用されて以来、『めちゃイケ』から『27時間テレビ』まで片岡の絶大な信頼を勝ち取ってきた西山アナウンサーのことを、岡村らメンバーは敬意と親しみを込めて「同期のキクちゃん」と呼ぶ ©フジテレビ