――筋トレをはじめたきっかけになったコスプレもあるのでしょうか。
小林 きっかけになったのは2013年の冬にやった『ジョジョの奇妙な冒険』のカーズのコスプレです。ちょうど法科大学院に入る直前だったんですけど、「お前こんなガリガリの身体でコスプレをしたのか」と、当時の写真をいまも今も戒めとして見返したりします。
――それから筋トレも始め、法科大学院に入り……リベンジはできたのですか。
小林 しました、しました。司法試験に合格した後の、2016年の夏コミで。もう別人みたいな身体になっていました。本当に勉強したのかって感じ(笑)。
――いま筋トレブームが過熱していますが、なぜここまで流行っているのでしょう?
小林 なんでだろう……取材を受けていても、筋トレはメンタルにいい作用があるのか、仕事に効果があるのかとか聞かれるんですけど、正直、僕自身はそこまで考えたことないんです。憂鬱なときは、筋トレもあまりはかどらないですしね。
単純に、かっこいい身体が欲しいからやっているので、今ブームの筋トレ観と、僕らの筋トレ観はちょっとずれているような……。でも、どちらにしろ筋トレが広まるのであれば、それはそれでいいことだと思ってます。これで、もうちょっとマッチョに優しい世界になるのかなっていう。
マッチョは生きづらい
――いまはマッチョに優しい世界ではないのでしょうか。
小林「マッチョ好き」を自称する方でも、いわゆるジャニーズ系の細マッチョを指して言ってたりするんですよ。
――えーっ! では、モテの方面では、筋トレの効果は出ていない?
小林 全然出てないですよ! それなのに、入るスーツはなくなるし。生きづらいですよ。
あとは、筋トレしていると、人付き合いが悪くなりますね。
――どうしてですか。
小林 筋肉のために飲み会に行かない、みたいなことをやっていくと、どんどん友人が減っていくわけです(笑)。 合コンでそのカネ払うんだったら、その時間で筋トレしてステーキ食べたほうがいいな、みたいな。 飲み会にも、合コンにも呼ばれなくなる。
――むしろモテから遠ざかっているような……。
小林 でも、筋トレをしていたおかげで、つらい司法試験も乗り越え、ちょっとずつ理想の体に近づき、人よりちょっと筋肉があるってだけでいろいろ取り上げてもらってますから、基本的にはいいことずくめです(笑)。 死ぬまで勉強と筋トレは続けたいと思ってます。
今後も、もっと身体は大きくしていきたいですね。まだまだ大きくなれると思うので。次は『グラップラー刃牙』のコスプレに挑戦したいです。
写真=鈴木七絵/文藝春秋