misonoさん(34)が、夫でロックバンド「HighsidE」のドラマー・Nosukeさん(29)の精巣がんを告知されたのは、結婚からわずか2カ月後のことでした。新婚ホヤホヤだったにも関わらず、病気の公表をめぐって衝突した2人。misonoさんが、Nosukeさんと離婚を考えるほど悩んだこととは――。(全3回の2回目/#1、#3も公開中)
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――精巣がんと分かるまで、Nosukeさんに自覚症状はあったんですか。
misono 眠れない、食べれないと言いはじめて、最初は腰痛かヘルニアを疑いました。整体や鍼に行くと、ちょっと体が楽になる。だから、まさかがんとは思いもしませんでした。がんと診断されるまで、何回か他の病院にもあたったのですが、薬を出されておしまい。でも、Nosukeはどんどん痩せていくし、胃のあたりをさして「この辺が硬いんだよね」って言い始めて。男なのにおっぱいも出てきた。一般的には、精巣が腫れて病院に行くらしいんですが、Nosukeの場合は腫れも、痛みもありませんでした。
――医師からの告知は、一緒に聞かれたそうですね。
misono 2回目からは全て同行して、Nosukeと一緒に説明を受けました。初日は、どうしてもズラせないお仕事が入っていたので、代わりにウチの母親が付き添ってくれました。はじめは精巣がんではなく、「胃の下に直径15センチの腫瘍があります。悪性リンパ腫の可能性があります」と言われました。手術をして腫瘍をとってみないと、何のがんとは言えないと。29歳と若いし、進行が早いとも聞き、不安でいっぱいでした。今から考えると、精巣がんが腹部と肺に転移していたんです。
「死ぬんですか」「助かる確率は何%ですか」
――misonoさんはどんな風に話を聞いていましたか。
misono 涙って、溜まることなく流れるんだと思いました。「死ぬんですか」「助かる確率は何%ですか」と、質問はできるんですが、ただただ、涙が流れる。うるうるとか、1滴ツーッとこぼれるのでもなくて、大粒の涙ってこれかと。でもこの頃は周りの人には言えなかったので、皆にバレないように「もう泣かないようにしよう、考えないようにしよう」と毎日、平常心を保つようにしていました。
――誰かに打ち明けたり、相談しましたか?
misono 自分の親友や仕事仲間には話したい、でもNosukeのプライバシーにかかわることだから、自分が勝手に話してはいけないと思いました。Nosukeは「誰にも言いたくないし、家族にも話したくない」と考えていたので。自分も忙しく、体調もあまりよくない時期でした。見かねた友人が、「misono頑張りすぎじゃない?」「話しただけで楽になることもあるよ」と気にかけてくれたんですが、迷惑をかけたくなかったので吐き出せなかった。