「5年後の生存率は40%」「ステージは3a」。misonoさん(34)が、夫でロックバンド「HighsidE」のドラマー・Nosukeさん(29)の精巣がんを告知されたのは、入籍からわずか2ヶ月後のことでした。3月10日に退院するまで、約4ヶ月間の闘病を支えたmisonoさんに、夫婦のこれからを聞きました。(全3回の1回目/#2、#3も公開中)
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――Nosukeさんの退院、おめでとうございます。
misono 病気を公表して以来、皆さんにご迷惑をおかけし、心配していただいていたので、いい報告ができて嬉しいです。でもまだ完全に治ったわけじゃなく、5月には手術もありますし「5年間再発しなければ完治」という状況です。自分たちの中ではこれで終わりではなくて、まだ通過点。ここからもう一回新しいスタートだと思っています。
Nosukeさんがブログで「書かなかった」こと
――退院後のNosukeさんの様子はどうですか。
misono Nosukeはブログでも「つらい」とか「悲しい」、「大変だ」とは全然書かないんです。でも実は、肺に転移した胚細胞腫瘍のため、3月末まで4回の抗がん剤治療を続けていたので、副作用でペットボトルが開けられないくらい指がパンパンに腫れていたり、手が茶色くなっていたり……。髪の毛もまだ生えていないですし。それに、まだ全身に掻いた跡が残っています。
――掻いた跡?
misono 健康な人は体を掻いても、すぐに赤味が引くじゃないですか。でもNosukeは免疫力が下がっているからか、すぐには治りません。Nosukeが服を着替えているときに、肌を掻いた跡が傷のように残っているのを見ると、涙が出そうになります。入院中の食べられない、眠れない時の彼を見ているので、それと比べると、もちろんよくはなっているんですが、まだ「ああ……」って落ち込みそうになることはありますね。
――そういう姿を見て、不安になってしまうというか……。
misono 毎日仕事があるから、顔や態度に出ないよう、病気のことは考えないようにしていますし、気持ちを切り替えなきゃいけない。「完治する。5年間再発もしない。Nosukeは元気だ」って信じたい思いと、「でも病人だということを忘れてはいけない。いつまた再発するかもしれない」という危機感と両方あります。