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新紙幣デザイン わざわざ5年も前に公表という不思議さ

 やってる感と言えば先週の新紙幣デザイン発表も同じ匂いを放っていた。

 わざわざ5年も前に公表という不思議さ。「改元と相乗効果狙う」という当然の解釈が出た(日本経済新聞4月10日)。

 大きな発表なのに同時に「なぜ今」と訝しがられる。究極のやってる感。

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発表された新紙幣1万円札のデザイン(財務省ホームページより)

 さらに興味深いのは新紙幣を構想し始めた時期についてだ。

 麻生財務大臣に財務省幹部が腹案を示したのが「昨年秋」とある(日経・同)。

 その時期の理由として《省内が落ち着きを取り戻しており、失地回復を進める意図も感じる。》(日経・同)

 失地回復とは財務省には森友学園やセクハラスキャンダルがあった。明るい話題を練るしかなかったのである。

前国税庁長官・佐川宣寿氏 ©文藝春秋

 さらに年明けになると「麻生氏は首相との擦り合わせに本格的に乗り出した」とある。

 年明けから「改元との相乗効果狙い」で動き出していた。

 しかしここで気になることがある。なぜ新紙幣の発表は4月9日(火曜)だったのか? お祝いムードに乗るなら新天皇が即位する5月以降に発表するほうが効果的。ハッキリ言ってそのほうが選挙(参院選)も近い。

 4月9日に公表した理由は、まず新聞のスクープがあったことが大きい。毎日と産経が9日の一面で報じたのだ。さらに毎日新聞は4月8日深夜つまり9日の未明にWEBで報じたので、他紙に先手を打ったのだろう。

 新聞のスクープによって結果的に得したように見えた人もいた。