私は皇室担当記者として10年以上にわたり取材を続けて、女性皇族方のお姿をつぶさに拝見してきた。そのなかで、いつも感じることがある。天皇や皇族方は一般の人々のように、ご自身の思いを直接的におっしゃることができないために和歌などを通じて、その時々のお気持ちを表現されているとはよく言われるが、女性皇族の場合はファッションを通じてこそ、何もおっしゃらずともその時々のご感情や思いが、こちらに伝わってくることが数多くあるのだ。

1993年6月9日、結婚パレードでの皇太子さまと雅子さま ©JMPA

愛子さまとファッションやヘアスタイルをお揃いに

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 雅子さまは、平成15(2003)年に病気療養に入られて以来、公の場へのお出ましがめっきり減ってしまった時期が長く続いた。その間には、学習院初等科に通われていた愛子さまが不登校のような状態になられたこともあった。さらにその少し前から、雅子さまと愛子さまはファッションやヘアスタイルをお揃いにされていて、愛子さまが順調だと雅子さまのお加減もよくなることがあり、“母子シンクロ”とも言われた。雅子さまがグレー系のパンツスーツをお召しになっていることも多かった。

2009年3月、ご静養のためJR長野駅に到着された皇太子ご夫妻と愛子さま ©共同通信社