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選手に恐れられる鬼軍曹 ロッテ・鳥越裕介ヘッドコーチが目を潤ませた日

文春野球コラム ペナントレース2019

2019/05/22
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いつかは12球団で手を取り合って

ピンクリボン活動が広くプロ野球界に根付く日を願って ©梶原紀章

 今年もレディースデーの季節が訪れた。それより少し前の福岡でのホークス戦でも同様のイベントが行われ、鳥越ヘッドはビジターチームであったものの志願をして募金活動に参加をした。ホークスでは乳がん検診車が待機し、無料で受診ができるなど、よりメッセージ性の強いものとなった。それこそが望んでいた姿であり、今後も続けていきたい活動だ。想いに賛同をしている井口資仁監督もまたZOZOマリンスタジアムでの募金活動に一緒に参加をすると囲まれた新聞記者に熱く語った。

「こういうメッセージ発信や活動は大事です。ただ私としては球団ごとではなく12球団で取り組んでもいいのではないかと思っている。メジャーは母の日などにリーグで取り組んで広く行っている。6球場で同じ日にピンクのベースなどで試合をしてメッセージを伝える日が来ればと思っている」

 元メジャーリーガーはアメリカでの経験も交え、ピンクリボン活動が広くプロ野球界に根付くことを切に願った。幸い、早期検診を推奨する活動は徐々に広がりを見せており今年はセ・リーグではカープも実施している。日本においてプロ野球はもっとも注目されているプロスポーツであり、メッセージ力は極めて強い。このような活動に12球団で手を取り合って、積極的に取り組んでいける日が近い将来、訪れて欲しいと思う。

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 普段は鬼軍曹として選手に恐れられる存在である鳥越ヘッドコーチは試合前、ピンクのベースを見つめ、目を潤ませた。その胸の内にある悲しみは計り知れない。メッセージを送り続けることで悲しみが少しでも小さくなる社会作りに貢献することは日本プロ野球にとって大きな義務である。

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