文春オンライン

「助け合い」の日本人と「自立」のNZ人……車いすで留学して考えた文化の違い

車いすで留学するとどうなるの?

2019/05/05
note

シェアハウス生活で問題になること

 ニュージーランドでは1人暮らしをしているという人はほぼおらず、多くの若い人がシェアハウスで暮らしています。どのくらいシェアするかはお家によって違うもの。今、私は他3人の女の子と4人暮らしで、みんなそれぞれ違ったアジア系のルーツを持っています。アジアといっても国が違えば、食生活も違うし、育った家族が違うから、生活習慣だって違うもの。私たちは、キッチン・お風呂場・リビング全てを共有し、光熱費も均等に分割しています。

 生活を共有する中で、難しいことの1つは、お互いの清潔の基準。そんな中で起きる小さなズレを、大きな問題にしないために、2週間に1回ミーティングを行います。最近問題になったのは、お風呂場の足拭きマットを手洗いするか、洗濯機で洗うかということ。1人の子は足拭きマットは汚いから、絶対に洗濯機で洗いたくないと言い、でも、それだと誰も手洗いしようとしないのでもっと汚いのではないかということで、侃々諤々になりました。結局、新しい足拭きマットを買って、それを頻繁に洗濯機で洗うということで、話はまとまりました。

©iStock.com

重いものを運ぶことができないわたしは、事務でカバー

 ミーティングの中でもう1つ話す大切なことは、家事などの分担について。私は体の負担になるため、重いものを運んだりできないし、高いところにも手が届きません。なので、話し合いの末、私が光熱費や家賃の支払い、大家さんとの駆け引きなど事務的なことを担当し、他の3人はお家の掃除を分担して週替わりですることになっています。夕飯も、週に1回ずつそれぞれの当番の日があり、自分が作る日以外は、誰かが夕飯を作ってくれるようになっています。

ADVERTISEMENT

 私が作るのは毎週火曜日。その日は、他の友達を呼んで、ご飯を作るのを手伝ってもらいます。私は日々の生活の中でいろんな手が必要だけど、同じ子ばかりに頼りたくないので、同居人以外にもたくさんの子が私のところに出入りします。最初は、毎日のように知らない人がやってくることに、私の同居人たちは戸惑っていましたが、最近では、みんなお互いと仲良くなっています。