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「助け合い」の日本人と「自立」のNZ人……車いすで留学して考えた文化の違い

車いすで留学するとどうなるの?

2019/05/05
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「お互い様の文化」が人と出会うチャンスをくれた

 私も頼るばかりではなく、困ったことがあった時、メールの書き方を見直してほしい時、ボランティアのプロジェクトを立ち上げたい時など、ルームメイトたちは私のところに頼りにきてくれます。私が助けを求めることが多いから、向こうも助けを求めやすくなる。そんな「お互い様の文化」が、このお家の中で新しく生まれてきているのを、嬉しく思います。

 実は、この世界に人に頼らず生きられる人なんて、誰もいません。直接的に手を借りているように見えなくても、屋根のあるお家に住み、服を着て、ご飯を食べているということは、それらを作ってくれた誰かに頼っているということ。直接的に手を借りるのは、もっとたくさんのコミュニケーションが必要だし、いつも簡単なわけではありません。自分でできたらこうする、ということを体を動かさずに、具体的に言葉で全て伝えなければいけないのです。

©iStock.com

 でも、それは、より深く人と出会えるチャンスでもあります。ただ、私は言葉を話すことができますが、話せない人も世の中にはたくさんいます。口で自分の思いを伝えられないと、直面する困難は、さらに増えます。日本では、それでも自立生活をしている人たちを知っていますが、こっちではまだそのような人たちと出会えていません。 だからこそ、 障がいのあるなしや、人種や国籍の違いも越えて、多様な人がともに生きていける社会を目指し日々生きています。

「助け合い」の日本人と「自立」のNZ人……車いすで留学して考えた文化の違い

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