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朝ドラヒロインとはもんぺの似合う"昭和顔"

 この結果に関して「朝ドラヒロイン」をよく知る2名にご意見を伺った。

◇中森明夫氏(作家・アイドル評論家)

「なかなか妥当なランキングだと思います。1位の能年玲奈(のん)さん主演の『あまちゃん』は、本当に能年さん抜きではありえなかったと思います。やっぱり"あまちゃん=能年玲奈(のん)"です。今も『あまちゃん』とほぼ同じスタッフで制作した大河ドラマ『いだてん』が放送中ですが視聴率的に苦戦しています。内容は面白いんですが、今一つ数字が伸びない理由に何かが足りないとするならば、やっぱり『あまちゃん』の時の能年玲奈の輝きだと思いますね。

中森明夫氏 ©文藝春秋

 ここ最近の朝ドラが上位にランクインしていますが、ヒロインに共通する特徴は戦時中のシーンでもんぺが似合う『平成生まれの昭和顔』。朝ドラはそのほとんどが女性の一代記を描いているわけですが、時代背景がほぼほぼ昭和。その時に広瀬すずさんや有村架純さんといったもんぺの似合う"昭和顔"が選ばれているんだと思います。平成顔と言える小松菜奈さんや中条あやみさんがもんぺをはいても、やはり似合わないですよね。

 一方で、朝ドラのヒロインという枠は若手の女優さんにとって特別です。オーディションで選ばれて一躍人気になった女優はたくさんいます。2位の波瑠さんは今やCMからドラマの主演までこなす人気女優ですが、ブレイクのきっかけは朝ドラ『あさが来た』のヒロイン役でした。

 その特別な枠が今回の『なつぞら』の広瀬すずさんや次回『スカーレット』の戸田恵梨香さんのようにオーディションではなく、キャスティングになっているのは残念です。新しい時代・令和になった今、朝ドラのオーディションで新しい女の子が出てきてくれればいいなと思います」

思わず「頑張れ」と応援したくなるのが朝ドラヒロイン

◇木俣 冬氏(著作家・ライター)

「『あまちゃん』の能年玲奈(のん)さんは断トツの1位ですね。私は能年玲奈(のん)さん演じる天野アキももちろんですが、アイドルの夢を一緒に追いかけた橋本愛さん演じる足立ユイとのセットで好きでした。特に、なかなか上京できないユイにアキが最後まで寄り添い続ける姿と、のちにドラマを超えて東京の『紅白歌合戦』の特別編という舞台で2人が『潮騒のメモリー』を一緒に歌う姿がリンクして感動的でした。

木俣冬氏(提供)

 このランキングを見ていて思うのは、視聴者はみなヒロインの『健気さ』が好きなのかなということです。『あさが来た』で旦那さん大好きのあさ(波瑠)も、『ひよっこ』のみね子(有村架純)も、思わずその姿に応援したくなる。自分と少し重ねてみて「頑張れ」と言いたくなる人物像が朝ドラヒロインなのかなという印象はあります。

 個人的に気になったのは10位の『ゲゲゲの女房』。この作品は朝ドラのターニングポイントになっていると思っています。時間帯が変わって見やすくなったことや、題材設定に『モデルがいる人物を主人公にする』という普遍性を取り入れたことが大きなポイントです。さらにこの頃から普及したSNSで、朝ドラに関しての感想や批評を投稿することも一般化していきました。

 ストーリーでは、最近LGBTを主題にしたドラマが増えています。『半分、青い。』で志尊淳さんが演じたボクテはゲイの美青年として、注目を集めました。そんな人たちが主人公となる朝ドラも見てみたいなと思います」

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