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2019/05/13

genre : ニュース, 社会,

スーツ姿の通勤客で満員状態

 そういうわけで、朝の奈良駅。まだ件の「直通快速」がホームに入ってくる前から、ずいぶんとたくさんの人が行列を成していた。デカいスーツケースを抱えた外国人観光客もいたが、ほとんどがスーツ姿の通勤客だ。やっぱり新大阪まで行くんですか?と聞いてみたいところだったが、通勤途中でいくらか殺気立つ通勤客にはあまり気楽に声をかけられるものではない。

今回乗ったのは、奈良駅7:35発の新大阪行だ

「直通快速」が入線するとホーム上の人たちがこぞって乗って早くも満員状態。出発してからも奈良盆地にある郡山駅や法隆寺駅などでさらに通勤客が乗り込んで、文字通りの満員電車は大阪府内を目指す。そして久宝寺駅からはいよいよおおさか東線に入ってゆく。

 久宝寺駅から放出駅までのおおさか東線は10年以上前、2008年に開業した区間だ。全線が高架で、車窓からは東大阪市内の住宅地。住宅地の隙間を埋めるように工場が見えるから、“町工場の街”東大阪らしい光景ということだろう。途中には近鉄奈良線と接続するJR河内永和駅や大阪メトロ中央線と接続する高井田中央駅に停車して、車内の乗客は新大阪駅に向けて増えるばかりであった。

放出、鴫野……「難読駅」が続く

 そして学研都市線(片町線)と接続する放出駅へ。これ、“はなてん”と読む。地元の人でもなければとてもじゃないけれどマトモに読めない難読駅だ。お隣の鴫野駅も続けて難読で、“しぎの”と読むのだが、こういう読めない駅が続くというのも大阪らしいといえば大阪らしい。放出駅では学研都市線からの乗り換え客をさらに詰め込んで、いよいよ今年3月に延伸された新規開業区間へ入ってゆく。おおさか東線には新たに5つの途中駅が生まれた(鴫野駅までは学研都市線と並行して走る)が、「直通快速」はすべて通過してひとっ飛びに新大阪駅だ。

神崎川を渡る「おおさか東線」。ここで東側に分岐している線路が見えるが、その正体は?

 真新しい高架の上を走るおおさか東線「直通快速」は、沿線に建設中のマンションも見える住宅地を駆け抜けて、途中で淀川と神崎川を渡る。このうち神崎川を渡る手前で、東側に別の線路が分かれてゆくのが見える。「直通快速」が走る線路はピカピカの新築なのに、分岐する線路のほうがどうにも古めかしい。いったい、このナゾの線路の正体はなんなのか――。