所沢までは富士山が見える
池袋を発車した「ちちぶ号」は、ゆっくりとポイントを通って下り線に入り、大きく右へカーブしてJRの線路を越える。しばらくは地上の住宅街を走り、江古田を通過してまもなく勾配を上がって高架区間になる。次に練馬駅を通過すると西武豊島線が右へ分岐していく。このあたりからの車窓左側、晴れていれば富士山が見える。池袋線沿線の人には当たり前の風景だけど、他の地域から乗ってみると、西武鉄道から富士山が見えることに感激するだろう。AB席をオススメする理由のひとつは「富士山が見える」だ。
高架区間は大泉学園駅で終わって地上に降りる。しかし富士山はこの先、所沢あたりまで見える。西武池袋線沿線は高架区間も地上区間も戸建て住宅が多く、豊かな暮らしぶりのようだ。「屋根にアンテナを立てている家が多いから、ケーブルテレビや光回線のトリプルプレイは普及していないのかな」とか、「駅前に『ぎょうざの満洲』があると西武沿線って気がするな」とか、「だんだん緑が増えてくるな」などと思いつつ、景色を眺めている。
所沢駅を発車すると、勾配を上がって西武新宿線を乗り越える。西所沢駅で西武狭山線が左へ別れていく。次の見どころは車窓右側、小手指の車両基地だ。10両編成の電車がタテに3本並べる長い留置線。予備編成のLaviewや先輩の特急電車「ニューレッドアロー」、西武鉄道の通勤電車のほか、相互直通先の東京メトロや東急の電車がいるかも。
当社では新型車両のデビューに向けてという形では初めて実施した公式SNSですがいかがだったでしょうか?「Laview」への期待感が少しでも高まったのであれば幸いです。
— 【公式】西武鉄道 Laview(ラビュー) (@seiburailway001) 2019年3月28日
今後とも「Laview」が皆さまに愛される車両となっていくことを願い、更新を終了します。ご覧いただきありがとうございました! pic.twitter.com/curDwDppwL
AB側の席なら川面を覗ける
狭山ヶ丘、武蔵藤沢を通過して、次の見どころも車窓右側。航空自衛隊入間基地の滑走路が見える。運が良ければ自衛隊機の勇姿を拝めるだろう。車窓左側は背の高い林。入間基地官舎の目隠しかもしれないけれど、狭山稲荷山公園や東京家政大学なども緑が多く、Laviewの大きな窓に緑が増えてくる。
入間市駅を発車すると再び住宅街だ。しかし油断してはいけない。入間川を渡る鉄橋は柵が低い。Laviewの窓は膝まであるから、AB側の席なら川面を覗ける。これはLaviewならではの景色だ。車窓左手には古い鉄橋も見える。あれは池袋線の単線時代の廃線跡だ。複線化のために現在の鉄橋に架け替えられ、古い鉄橋がまだ残っている。
JR八高線の線路をくぐると、右手から別の線路が合流する。これが秩父方面の線路だ。「ちちぶ号」はポイントを右へ進み、飯能駅特急ホームに到着する。車内放送で進行方向が逆になると告げられ、座席を転換するときは前後のお客様にひと声かけましょうと案内される。では、座席の通路側下のペダルを踏んで、座席を反転させよう。12A、12B席の前方展望が始まる。タテに細い窓だけど。