「何年も一緒にトレーニングしてきたけれど、彼と僕との間の関係はずっと変わりませんでした。結局、最後の最後まで、彼とは激しく競い合うことになりました」

『文藝春秋』5月号の独占インタビューで、フィギュアスケート・羽生結弦(24)との関係性をこう語ったのは、今年1月の欧州選手権で前人未到の7連覇を達成し、現役引退したハビエル・フェルナンデス(28)だ。

銅メダルを獲得したハビエル ©JMPA

 フィギュアスケートがあまり盛んとは言えないスペイン・マドリードに生まれ育ち、欧州の男子フィギュアスケート界をけん引し続けた。2015年、2016年の世界選手権を連覇、2018年の平昌五輪でも銅メダルを獲得した。

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 羽生とフェルナンデスは共にカナダ・トロントのクリケットクラブでブライアン・オーサーコーチに師事し続けた親友でもあり、同時に最大のライバルでもあった。フェルナンデスが、カナダにやってきたのは羽生より1年早い2011年のことだった。翌年、彼はここに羽生がやってくるとオーサーコーチから聞かされた。

「君のライバルである羽生結弦選手が、ここに来たいといっているんだが」

 フェルナンデスが振り返る。

「ユヅを引き受ける前に、ブライアンは僕の意見を聞いてくれました。僕は全くためらうことなく100%快諾しました。同じようなレベルのライバルと同じリンクでトレーニングすることで、得るものは大きいとわかっていたからです」