NHK「紅白」「大河」「朝ドラ」はとても重要
「NHK大河『いだてん』大コケでわかった ドラマとは主役次第」(日刊ゲンダイDIGITAL3月17日)
「大河『いだてん』“視聴率”ますますピンチ 薬物汚染」(夕刊フジ3月17日)
「『いだてん』爆死で紅白ピンチ」(東スポ5月10日)
とくに注目したいのが最後にあげた記事(東スポ)である。低視聴率のせいで紅白とのコラボ企画がピンチだ、というのだが裏を返せばここでも絶大な紅白への信頼がわかる。
「大河ドラマを“なかった”ことにするとなると、紅白が大ピンチに立たされるのは明白だ。いったいどんな目玉企画で視聴者にアピールすればいいのか、関係者の心労は年末まで続く。」(東スポ5月10日)
関係者だけでなく東スポも心配そう。
ここまで読んでお気づきの方もいるだろうが、オヤジジャーナルにとって「紅白」「大河」「朝ドラ」は非常に重要な存在なのだ。テレビ信仰というより「NHK信仰」と言ってよい。
この信仰のなかには「ネタとして書きやすい、叩きやすい」という便利さとしてのNHK信仰もあろう。読者(おじさん)に伝わりやすいというネタ対象としての信頼。
「いだてん」視聴率の分析は、見事な「おじさん」分析に
しかし、それぞれの記事を読むと大河や朝ドラは常に高視聴率でなければならないと本気で考えているフシも伝わってくる。過激な論調の夕刊紙・タブロイド紙だがNHKの番組に対してはそろって「保守」なのだ。
その証拠に「いだてん」低視聴率の分析も面白い。
《「展開が早すぎて物語に付いていけない。登場人物もやたらと多すぎて複雑。何よりも一体、どこまでが史実でフィクションなのか全くわからない。あれでは往年の大河ファンは離れてしまう」(テレビ局関係者)》(日刊ゲンダイ)
《すでに東スポWebでも指摘している通り、「いだてん」低迷の理由は、ひとえに主人公のマラソン選手・金栗四三というキャラクターの弱さと、クドカンこと宮藤官九郎が書いた脚本が大河の視聴者層に合わないことに尽きる。》(東スポWEB)
「いだてん」の分析なのだけど、展開が早すぎるとかクドカンが合わないとか、見事に「おじさん」の分析にもなっていることに注目したい。
むしろ辛口が売りのオヤジジャーナルなら「NHKなんぞにクドカンを1年も使いこなせるわけない」とか「見てろ、そのうち上層部が介入するぞ」とかNHKそのものに対する茶々があってもいいと思うのだが、斬新な「いだてん」の低迷をほら見たことかと報じるのである。オヤジ保守の王道をここに見た思い。