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2019/05/17

そんなに大河ドラマの視聴率が気になるの?

 夕刊紙・タブロイド紙だけではない。朝刊スポーツ紙も不思議な報道をしている。

「NHK大河『いだてん』18話1ポイント↑8・7%」(5月13日)

 これは日刊スポーツのWEB記事だが「前回から1ポイントアップした」と克明に伝え、記事の最後には「これまでの視聴率推移」としてご丁寧に数字を並べて見せている。

©iStock.com

 何かに似てると思ったら「昭和天皇の下血報道」である。あれと同じだ。※ご存じない方はお調べください。

 こういう数字の報道に何の意味があるのか。そんなに大河ドラマの視聴率が気になるの?

 私は「いだてん」を録画してある程度溜まったら見ているのだが、どうしてもリアルタイムの視聴率が高くなきゃダメなの?

「時間かければジワッと」

 最後に、「いだてん」関連でもっとも読ませたコメントを紹介する。

 5月8日の毎日新聞夕刊にあった同志社女子大の影山貴彦教授(メディアエンターテインメント論)の言葉だ。

「今の社会は寛容さが欠けているとよく言われますが、同じ読み方で涵養という言葉があります。自然にじわじわとしみ込んでいくように育てる、という意味ですが、寛容と涵養が社会にもメディアにもないな、とつくづく感じています。短い時間で判断するのではなく、もう少しクドカンワールドのジワッとくる面白さを時間をかけて楽しんでほしい。噺家は客が育てる、というでしょう。いいドラマは視聴者が育てるんです」

 このワイド特集の見出しは「NHK『いだてん』なぜ盛り上がらない? ユーモアとセンスのクドカンワールド 時間かければジワッと」

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 締めは《マラソンには、ランナーたちのさまざまなドラマがある。「いだてん」も「短距離」ではなく「長距離」の視点に立てば、出演者や裏方の「汗」に感じ入ることができるかもしれない。》

 この記事、オチもうまかったのである。

芸人式新聞の読み方 (幻冬舎文庫)

プチ 鹿島

幻冬舎

2019年4月10日 発売

芸人式新聞の読み方』 が文庫になりました。ジャーナリスト青木理氏との「全国紙・地方紙実名ぶっちゃけ対談」などを文庫特典として収録!

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