料理研究家の土井善晴さんが『素材のレシピ』(テレビ朝日)を出版した。身近な素材を使った300レシピを収録。定番料理からアイデアレシピまで1つの素材につき、4つのレシピが紹介されている。

土井善晴さん

「世の中に複雑なレシピはたくさんありますが、単純にひとつの素材から作るようなレシピが少ないと感じていました。普通の家庭で使われる食材が網羅されています」

 本を通じて伝えたいことは、レシピの中身というよりも、料理の楽しさだという。

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「たとえば家に納豆とお餅があったら、納豆餅をつくってみる。いま台所にあるもので一品つくってみようという遊び心が大切です。ふだんは『一汁一菜』で、少し余裕があるときにこの本で料理の楽しさを感じてほしいですね」

 美食や健康には関心の高い現代人だが、一方で料理をすることの大切さを忘れているのではないか、とも語る。

「現代人は食をなめています。動物のなかで料理をするのは人間だけ。料理は、いわば『人間である証』なのです。食事をつくる行為は、コミュニケーションや精神の安定、教育・学習、想像力など、豊かな感性を養うことにもつながります。体調のみならず心も整う。料理こそが、人間らしさの最後の砦だと思っています」

土井善晴の素材のレシピ

土井 善晴

テレビ朝日コンテンツ事業部

2019年3月7日 発売