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「皇族は政治的なことの発言をしない。これは基本」

 昨年12月26日、政府は国際捕鯨委員会を2019年6月末に脱退することを公表したが、この捕鯨問題についても秋篠宮さまは触れられたことがある。

 2015年、イルカの追い込み漁を問題視した世界動物園水族館協会(WAZA)が、日本動物園水族館協会(JAZA)の会員資格を停止したことを受けて、JAZAが追い込み漁で捕獲されたイルカの入手を禁じたことについて、JAZAの総裁を務める秋篠宮さまはJAZAの総会で「今回の意思決定は協会全体として将来的にプラスに働くと思う」と述べられたのだ。

 この発言は、捕鯨問題という政治課題について皇族が言及したものとして問題視された。秋篠宮さまはこの発言について、この年の誕生日会見で「皇族は政治的なことの発言をしない。これは基本」とした上で、「イルカの追い込み漁それ自体について何か言ったつもりはなく、文化の問題と組織の問題を分けて考えるべきではないかと思って話をしました」と補足された。

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 実は昨年11月の秋篠宮さまの発言は、誕生日会見の中の関連質問と呼ばれる質問に答えたものだった。宮内記者会に対する秋篠宮さまの誕生日会見は、記者クラブ側から事前に質問の文面を示す5問の質問と、その後、挙手で2問程度、質問を受け付ける関連質問で構成されるが、秋篠宮さまの“政治的ご発言”は、この関連質問に答えたもの。いわばアドリブである。

秋篠宮さま ©JMPA

「唯一の失言ともいえる『人格否定発言』の余波に、長年翻弄されてきた皇太子さまですが、御代替わりを目前に控えて宮内庁内部で危惧されているのはむしろ、繰り返される秋篠宮さまの、こうした『政治的』なご発言なのです」(同庁中堅幹部)

 皇太子さまは今年の誕生日会見で、即位にかかわる一連の皇室行事について、「政府が決定をした内容について、私がこの場で何か述べることは控えたいと思います」と明言された。

 これから事実上の皇太子に当たる皇嗣となられる秋篠宮さまの発言には、これまで以上に慎重かつ丁寧さが求められてくる。御代替わり後、いわゆるハネムーン期間(=米大統領が就任後100日間は批判されないこと)の後に、国民の厳しい目にさらされるのは、公務の遂行に懸念がある「雅子皇后」となるであろう。だが、その次に国民の目が向けられるのは、他ならぬ「文仁皇嗣」なのだから。

(「週刊文春デジタル」オリジナル記事)

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