昭和34年(1959年)創刊の総合週刊誌「週刊文春」の紹介サイトです。最新号やバックナンバーから、いくつか記事を掲載していきます。各号の目次や定期購読のご案内も掲載しています。

「新卒一括採用には違和感がある」経団連・中西宏明会長による“就活ルール廃止”の真意

経団連・中西宏明会長×経営共創基盤(IGPI)冨山和彦CEO 就活対談#1

一括採用型、通年採用型、インターン採用型。就活は多様化の時代へ

冨山 通年で自由に採用するという形は、グローバル企業では一般的なんですよね。

中西 そう思いますね。だから、まず自分たちはどんな人材を欲しいかということを、ウェブでも何でも公開していて、そこで応募してくれれば、ちゃんとあるプロセスでもって受け付けて採用していく、という仕組みです。

 日立はだいたいそういうことはもう用意してあります。それとは別に一括採用もやっていますけど、今は。

冨山 多くの企業が、そうした複数の流れになってしまっているんじゃないでしょうか。でも、やっぱり優秀な学生、グローバルに戦ってもらいたいなと思えるような学生たちの採用が重要ですよね。

 当社などは、ほぼそういう採用しかしないじゃないですか。インターンもそういう子が対象ですが、基本的にものすごく勉強している印象がありますね。それぞれの分野で。最近は理数系が多いですが、生命工学なら生命工学をすごく勉強している。その上で、ほぼ1週間のインターンにやってくる。

 ときどき、インターンと学業の二律背反は問題だなどと言う人がいます。でも、申し訳ないですが、私自身も出ていって、1週間の間にそれこそ大学の単位1個ぶんくらいのことは授けようと思っています。かなり気合いを入れてやっています。東大京大就職人気ランキングで弊社が10位と高いのは、インターンの影響が大きいです。すぐに噂で流れますから。

 そして、インターンは採用に直結する、とも言っています。

中西 インターンって、もともとはそういうもんじゃない?

冨山 そういうもんですね。

中西 日立がやっている制度がいいとは思っていないけど、うちは8、9割が理系採用なので、夏休みに夏季実習という格好でインターンをしてもらうんです。工場や研究所で、本当の仕事の中に入れちゃう。

©平松市聖/文藝春秋

冨山 それは最高ですね。インターン後は、リアルワールドも見て、ちょっと勉強する感じが変わるんじゃないですか。

中西 だと思いますね。それは大学側が、そういうことを義務づけているケースと、推奨しているケースと、まったくやっていないケースと、いろいろあるんですけど、けっこう先輩がたくさんいる学科についていうと、必ず来ますよね。
 実際には、けっこう辛いな、と言って帰るみたいですけど(笑)。

冨山 でも、彼らは嫌々やっているわけじゃない。

中西 それは違いますね。だって、サボったって怒られるわけじゃないですし。

冨山 必死に学ぼうと思っているわけですから。