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「新卒一括採用には違和感がある」経団連・中西宏明会長による“就活ルール廃止”の真意

経団連・中西宏明会長×経営共創基盤(IGPI)冨山和彦CEO 就活対談#1

とはいえ、一括採用が消滅するわけではない

冨山 今後は、インターン採用や通年採用と、一括採用とで、複線化していくんでしょうね。

中西 一括採用はなくならないでしょう、たぶん。

冨山 一括の流れに乗ったほうがいいタイプの企業とか、そういうタイプの学生はいますから。

 私たちの「みちのりホールディングス」という子会社は、東北地方を中心に地方の公共交通機関の再建と経営を行っていて、連結ベースで約5000人の従業員がいますが、ああいう仕事のオペレーションを担ってもらうような基盤人材の新卒採用は、一斉採用の方が合っているように思います。

 同じく私が社外取締役をやっている東京電力において、その中核業務である発電所の運転や送配電網の維持管理を担ってくれる皆さんなんかも同様かも知れません。

中西 だから、複線化は極めて自然ですよね。

冨山 それこそ、途中で1年なりの短期留学で学ぶ学生も増えています。そうすると、卒業式が半年ずれる。留学している間は就職活動できない。しかも、そういうところに、優秀な学生はいますから。ところが9月卒業です。だから、一斉には乗らない。

 当然、複線化しますよね。そしてグローバルに戦っていって、そこで自己実現をしたいという能力と意識を持っている学生は、世界に行こうという傾向が強いんですから。

中西 だから、やっぱり複線化せざるを得ないでしょ。グローバルに採用しようとすると。

冨山 企業側も、世界中で採用するわけですからね。

#2へ続く

社長の条件

中西 宏明

文藝春秋

2019年5月29日 発売