文春オンライン

50歳ずん飯尾和樹が振り返る「40歳で食えなくなって清掃のバイトをした話」

テレビっ子・ずん飯尾和樹さんインタビュー #2

note

タモリさんに言われた「飯尾はやってることずっと同じだもんな」

―― 芸人として転機になった仕事ってなんでしょうか。

飯尾 もうホントにこんだけチャンス潰してきた人間、いないんじゃないかって思うんですよ。ウンナンさんの帯番組が決まって、そこから仕事増えたんですけど、そこからワーッとブレイクすることもなく、コンビ解散を迎え……で、「ずん」を組んですぐ、関根さんのお陰でもあるんですけど、『いいとも!』のレギュラーになったんです。視聴者から「あの人誰ですか?」って、ファックスがくるぐらいの時期に。そこでも、タモリさんはじめ、藤井(隆)くんとか草彅(剛)くんとか東野(幸治)さんとかいろいろな人と出会えたのは大きかったんですけどやっぱり売れることはなく……。そのころ『内P(内村プロデュース)』にも出させてもらって、それから『みなさんのおかげでした』、『IPPONグランプリ』やさんまさんの特番で、「やっと」という感じかもしれないですね。

 

―― 『いいとも!』でタモリさんに言われたことで印象的だったことは。

ADVERTISEMENT

飯尾 スタジオに行くと「おお、来たか」って、いつもやさしく迎えてくれるんですよね(笑)。図々しいんですけど、なんとなく、うちの親父にちょっと雰囲気が似ているんですよ。『いいとも!』から何年か経って、ある正月、タモさんの元付き人で仲良しの岩井ジョニ男さんと、お正月にタモさんちにご挨拶に行かせてもらったんです。ジョニ男さんが「どうしたらもっと上に行けますかね?」って訊いたら、タモさんが「自分が楽しいことやってればいいんじゃないか」って。「飯尾、お前、出会ったときからずっとやってること同じだもんな」と。そのとき「ああ、出会った時からこんなことやってたんだ、進歩ないな」って思って(笑)。でもタモさん曰く、時代を追ったら、絶対追いつかないらしいんですよ。たとえば「替え歌が流行ってるから」とか「フリップ芸が流行っているから」っていって始めると、もう絶対追いつかない。ずっと同じことをやってたら、時代がやって来て、ハマることがある。だから「自分が面白いことだけやってろ」と言われましたね。