度重なる失言で五輪担当相を辞任した自民党の桜田義孝衆院議員が、また失言した。「放言・暴言・失言の製造機」の名に恥じない失言っぷりである。しかし、政治家からは似たような発言が最近相次いでいる。あらためて、桜田氏の失言の背景を考えてみたい。
桜田義孝 自民党・衆院議員
「お子さんやお孫さんにぜひ、子どもを最低3人くらい産むようにお願いしてもらいたい」
「結婚しなくていいという女性がみるみる増えちゃった」
共同通信 5月29日
5月29日、千葉市で開かれた会合に出席した桜田氏は少子化問題に言及し、「お子さんやお孫さんにぜひ、子どもを最低3人くらい産むようにお願いしてもらいたい」とパーティ出席者に呼びかけた。また、会合では「結婚しなくていいという女性がみるみる増えちゃった」とも語っていた。
発言後、「子どもを安心して産み、育てやすい環境をつくることが重要との思いで発言した。誰かを傷つける意図はなかった」と釈明した桜田氏だが、だったら子どもを安心して産み、育てやすい環境をつくりあげてから「お願い」してもらいたい。また、桜田氏が「お願い」している相手は女性に限定されているが、少子化は女性だけの責任ではない。生涯未婚率は男性のほうが圧倒的に高いのだから、桜田氏は男性にも「お願い」すべきなのではないか。
なお、桜田氏は5月14日の会合で「私のようにならない政治家を育てていただきたい。反面教師にしてください」と自虐ギャグを飛ばしていたが(産経新聞 5月14日)、わずか2週間後に再び失言をしたことになる。
約1年前に批判を浴びた発言
加藤寛治 自民党・衆院議員
「新郎新婦には、必ず3人以上の子どもを産み育てていただきたい」
NHK政治マガジン 2018年5月27日
桜田氏の発言と似たものを列挙していく。こちらは2018年のもの。加藤氏の発言は多方面から批判を浴び、謝罪して撤回した。しかし、野田聖子女性活躍担当大臣が「そういうことを言ったから子どもが産まれるということではない」と批判したことについては、「全国から多数の賛同が寄せられていることを考えると批判は当たっていないのではないか」と反発してみせた。