「100万円貸してくれと言われたら、10万円あげなさい。」
私のところにも結構「お金貸して」って人が来るんですよ。それも、断れない人が来ちゃう。幼なじみで一緒にさえないヤンキーやってきた子が、ダンナに殴られて鼻血まみれで裸足で逃げてきて、後ろで子供が2人泣いててとか、そんな電話かかってきたら、ガチャンって切れないじゃん。それで「じゃあ100万」って貸しても、二度と返ってこないですから。点滴1本余分にあげただけで、根本的な解決にもならない。それでもやっぱり貸しちゃいますよね。
向こうも最初からだます気はないんだろうけど、「いつでも余裕あるときに返してね」って言ってもそれっきり。返したとしてもだいたい半分返すといなくなるね。「半分も返したんだから」っていう小島理論。こっちも請求する気がなくなってきちゃうし。そういう貸し倒れが2000万円ぐらいある。
お金が返ってこないのもアレだけど、お金を貸したことでその人との縁が切れちゃうのが残念で。100万円で縁切るような友情だったんだとは思わないけど、向こうにしてみたらもう連絡取りづらいしね。
……というような話を高須先生にしてて「先生のところは、もっと来るでしょう」と言ったら、「100万円貸してくれと言われたら、10万円あげなさい」と。貸すんじゃなくて、貸してくれという額の10分の1をあげる。で、「その代わり同じように10万円くれる人をあと9人探しなさい。お金をただで受け取るんだから、それぐらいの労働はしましょうよ」というのが高須先生の「10分の1理論」です。
これだったら友達の縁も切れないし、貸したんじゃなくあげたんだから惜しくない。こりゃいい考えだなと思ったんですけど、そしたら10万円を10回もらいに来る奴がいそうな気がする。それか、「1000万円貸してくれ」って言ってくるか。まあ、そこまでやるなら逆にすごいと思いますけど。