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皇室と英王室のドレスコード&マナーの違い

 トランプ大統領夫妻を歓迎する5月27日の宮中と、6月3日のバッキンガム宮殿の晩餐会を比べて興味深いのは、執り行い方の違いだ。バッキンガム宮殿の方がより格式を重んじ、ドレスコードは正式礼装の「ホワイトタイ(燕尾服)」だった。宮廷外交の本家本元のプライドでもあるのだろう。トランプ大統領、チャールズ皇太子など男性は皆、燕尾服に白の蝶ネクタイだった。

©getty

 一方、宮中晩餐会のドレスコードは「タキシード」。燕尾服に代わる男子の夜会用略式礼服である。天皇、トランプ大統領共に黒のタキシードで、黒の蝶ネクタイを身につけた。

 晩餐会場への入室の仕方も日英では異なる。宮内庁は令和の今回から、時間を節約するため、あらかじめ皇族全員が着席してから、天皇、皇后両陛下と主賓夫妻が入室することにした。映像を見ると、天皇とトランプ大統領が先頭で並んで入り、後ろに皇后とメラニア夫人が並んで続いた。男性同士、女性同士での入室だ。

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 バッキンガム宮殿ではエリザベス女王をエスコートする形でトランプ大統領が先頭で入室し、二番手でメラニア夫人がチャールズ皇太子にエスコートされて続き、その後を他の王族が男女ペアを組んで進んだ。英女王の夫君エジンバラ公は2年前に公務から引退しており、もしエジンバラ公がいたならメラニア夫人をエスコートしたはずだ。英国にとどまらず、男女ペアでの入室は欧州の王室ではふつうだ。

バッキンガム宮殿で催された晩餐会 ©getty

 バッキンガム宮殿での入室のとき、英女王の横でトランプ大統領のムスッとした不機嫌な表情がメディアの話題になった。理由は、体に合わない燕尾服にあったようだ。映像を見ても、黒の燕尾服のジャケットは丈が短く、その下に着ている白いベストがエプロンのようにへその下まで下がっている。「ホワイトタイ&燕尾服をこんなにだらしなく見せた人を今まで見たことない」とのツイートも。