昭和34年(1959年)創刊の総合週刊誌「週刊文春」の紹介サイトです。最新号やバックナンバーから、いくつか記事を掲載していきます。各号の目次や定期購読のご案内も掲載しています。

2019/06/14

二階俊博 自民党・幹事長
「参院選を控え候補者に迷惑を及ぼさないよう党として注意しないといけない」

日本経済新聞 6月11日

 自民党は11日、林幹雄幹事長代理が金融庁の三井秀範企画市場局長を党本部に呼んで撤回を求めた。二階氏は撤回を求めた理由について、参院選が理由だとストレートに告白している。年金問題が争点とならないよう火消しを急いだのだ。

二階俊博氏 ©文藝春秋

萩生田光一 自民党・幹事長代行
「不安や誤解を広げるだけの報告書であり、評価に値しない」

産経新聞 6月11日

 前後して、与党幹部からは相次いで報告書への批判が飛び出した。報告書を批判しても国民の将来への不安が和らぐわけではないのに……。

 政治アナリストの伊藤惇夫氏は「第1次安倍政権時に参院選で惨敗した“消えた年金問題”を想起させることから影響を避けるため一斉に動いたのだろう」と解説している(スポニチ 6月12日)。

「数字を示すのは大賛成」と橋下氏

橋下徹 元大阪市長
「これを聞いて“ふざけんじゃねえ、この政治”と言うんだったら、問題を解決するような政治を選ぶのも国民の責任」

Abema TIMES 6月11日

 AbemaTVの番組に出演した橋下氏は、「公平に検証したデータを元に、“人生設計として、いくら貯めておかないといけない”という数字を示すのは大賛成」とした上で、「金額が大きすぎると思うのなら、累進課税の税率をもっと高くして、所得の再分配をしっかりやるような政治を選んでいかないといけない」と語った。

 なお、6月11日には政府による経済財政運営の基本方針(骨太の方針)の原案が明らかになったが、高齢者の年金を削減する在職老齢年金制度の見直しについて明記されているものの、高齢者への給付の削減や負担増の具体策には踏み込んでいない。政府関係者は参院選後の秋以降に医療や年金などの抜本的な改革を進めるとしている(産経新聞 6月11日)。こちらでも反発が高そうな議論を先延ばしにして、とりあえず選挙を先に済まそうとしているようだ。

森山裕 自民党・国対委員長
「政府は受け取らないと決断した。報告書はもうない」

毎日新聞 6月12日

 驚くべき発言も飛び出した。金融庁の報告書を森山氏は「もうない」と一蹴し、報告書をめぐる国会の予算委員会開催に否定的な考えを示した。自分たちにとって都合の悪いものは、あるものでも「ない」と主張する。何が何でも年金問題を参院選の争点にしたくないということだろう。

 日本総研の西沢和彦氏は「報告書の撤回などせず、厳しい現実を政府が正面から語ればいいだけ。野党にも同じことがいえる」と厳しく批判している(中日新聞 6月12日)。選挙の争点隠しのため「なかったこと」にするのではなく、どうすれば人々が「安心」して暮らせるようになるのか、解決策の議論を積み重ねてほしい。

この記事の写真(5枚)